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 筆者は通常,Microsoft Office新バージョンのリリースを,SQL Serverの世界における大きな関心事だとみなさない。しかし,Microsoft Office 2007(現在,ベータ2が公開されている)は,OLAP(On Line Analytical Processing,オンライン分析処理)技術をビジネス界全体にとって身近なものにしたということで,ビジネス・インテリジェンス(BI)界に衝撃を与えるのは必至だろう。

 SQL Server 7.0がまだベータ版だったころ,筆者はOLAPの一般への普及を提案する記事を書き始めた。つまり,OLAP技術が多くの企業に採用されることを願っていたのだ。OLAPとBIに基づくアプローチでデータ管理に取り組むことは,バックエンドでデータを管理して,フロントエンドでユーザーにデータを提供する---という方法を大幅に改善する可能性があるように思えた。当時OLAPは最新の技術というわけではなかったが,筆者にとっては新しい技術で,筆者はその可能性に驚愕したものだ。そのころ,OLAPはニッチな技術にすぎなかった。だが,技術を日用品に変えることに長けたMicrosoftの能力があれば,2~3年後には多くの企業が日常的にOLAPを使うようになるだろう,と筆者は確信していた。

 SQL Server 7.0のリリースから約10年たった現在,BI技術は以前よりもはるかに広い範囲で採用されている。だが,OLAPはまだ広く一般に普及した,というレベルには達してない。多くの企業はいまだにBIやOLAPを利用していない,あるいは利用していたとしても,効果を最大限に引き出していない。これらの前途有望な技術が十分に活用されていない理由を,筆者はたくさん挙げることができる。それでも,BIツールが広く一般に知られていないことが,BIやOLAPが普及していない最大の理由ではないかと思う。多くの開発者が「BIは私には関係のないことだ」という考えを持っていることも理由の1つに加えていいだろう。

 OfficeのBI機能は長年にわたって改善されてきたが,標準のBIツールとして広く一般で使用するには十分な品質でない,というのが筆者の知っているBI専門家の多くの一致した意見だ。しかし,Microsoftが先日,米ProClarity持つのBIに関連する分析・視覚化技術を買収したことを考慮に入れると,Office 2007は,長く待ち望まれてきた,広く一般に普及する可能性があるBIツールになると思われる。

 またMicrosoftは,BI技術をアプリケーションや情報システムに埋め込むのがいかに簡単で,またそれがどれだけ強力なものなのかを示すために,BIに関するマーケティングの主対象を「BIを敬遠してきた開発者」に絞る予定である。十分な品質を持つOLAPツールと,開発者にBIの利点を啓蒙するマーケティング活動が組み合わされば,OLAPを広く一般に普及させるという夢がかなうかもしれない。

 Office 2007とBIの役割についてさらに詳しく知りたい方は,「the Office 2007 Partner Technical Readiness Training Presentations」というサイトでダウンロードできる動画(英語)を是非とも参照して頂きたい。