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「アイデア雑記」とあるノートには、仕事、プライベートに関係なく、これはと思うことを書く。つまりネタ帳だ
 ERP(統合基幹業務システム)ベンダー、グロービア インターナショナルの大阪オフィスで、西日本地域の直販営業をほぼ一手に引き受けるのが池田克巳だ。転職して1年足らずだが、好成績が続いている。顧客にはよく「まじめだね」と言われ、グロービア社内でも「池田はマメ」との評判だ。だがそれだけで好成績を維持できるわけはない。限られた手間暇でコンスタントに受注を獲得する裏には、緻密な計算もある。

 まず、頻繁に会いに行くのは原則、「ある程度本音で話せる関係ができて、システムの実態や投資方針が分かったところ」。ここまでは中堅クラスの営業なら誰しもやっていそうなことだが、池田の場合その先がある。

 直近の受注は無理だが、来期やその次には可能性が高い、といった見込み客に対しては、電話やメールで時折連絡するという程度の距離を保っておき、セミナーなどの機会をとらえては訪問する。互いに負荷の少ない形から煮詰めて行くわけだ。もちろん、案件化の兆しが出れば、即、接近戦に切り替える。そんな池田の“ポケット”には、受注間近の案件から、これからじっくり距離を詰めていく見込み客まで様々な“煮詰まり具合”の案件がそろっている。

 こうした緻密なアプローチには理由がある。池田は過去様々な会社で営業を経験してきた。その中で一番辛かったのは、「売りたくないお客さんに無理に売らなければならない時」。いわゆる「お願い営業」「押しつけ営業」の類である。だが、ポケットに見込み案件を温めておけば、期待の案件が頓挫しても、焦らず騒がず温めておいた別件に切り替えて、次のチャンスを狙える。お客さんに無理な営業をせずに済む。

 池田にとってベストの状態は「楽しそうだから、取り組んでみる」と思える時。こうした気持ちで働ける状況を、池田は何よりも大切にしている。逆にこれさえできれば、「ガンガン仕事ができて結果も勝ち取れます」。もう百人力なのだ。

=文中敬称略

池田 克巳(いけだ かつみ)氏
グロービア インターナショナル
西日本ビジネス開発部 アカウントマネージャー
1988年に経営学部を卒業。SE志望でソフトハウスに就職するが、「ものすごく営業向き」と言われ営業職に。8年間オフコンの業種パッケージを売るが、会社の事業再編を機に転職。CADや運用管理ソフトのベンダー、セキュリティ関連のベンチャー企業などを経て、2005年8月から現職。