PR

 オフィスや家庭の蛇口を絞れば、水が出てくる。ふんだんな水資源は水道事業者が蓄えており、水道管を通して各利用者に供給しているからだ。利用者は自分が使った分だけの水道料金を後から支払う。こうした水道などの公共サービスで一般的な利用や課金のモデルがコンピュータの世界にも広がり始めている。データセンターに置いた高性能コンピュータを使っただけ料金を支払うユーティリティ・コンピューティングだ。

 メリットは大きく3つある。1つ目がITコストの削減。ユーザーそれぞれが処理ピークにあわせた高性能コンピュータを用意する必要がなくなる。2つ目はIT戦略の柔軟性の実現。ユーティリティ・コンピューティングでは、ITベンダーがデータセンター側に用意しているコンピュータ資源やソフトウエアを利用するので、導入や構築、設定などの作業を簡素化できる。3つ目は、ITシステムの安全対策だ。コンピュータは堅固なデータセンターで運用するため、地震など災害に強い。もちろん、平時でも安定的な運用が期待できる。

 ユーティリティ・コンピューティングは学術機関などを中心に使われていたが、コンピュータを集中的に設置したデータセンターと利用者間を高速回線で接続できるようになったため、最近ではビジネスの用途で利用する環境が一気に揃い始め、普及に拍車がかかろうとしている。