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●JR京浜東北線新子安駅よりタクシーで約5分の専用ドックに停泊している。ただしトラブル発生時に一刻も早く現場へ急行する必要性から,見学会は実施していない。そのため,その姿を見るには,双眼鏡を持って対岸の大黒ふ頭や瑞穂ふ頭に足を運ぶ必要がある。  

 島国の日本にとって,国外との通信には衛星か海底ケーブルが欠かせない。とくに高速・大容量のインターネット回線では,海底ケーブルが唯一の選択肢となる。そんな日本と世界をつなぐ命綱ともいえる海底ケーブルを日夜守っている1隻の船がある。横浜港を定宿とする「KDDIオーシャンリンク」である。

 同船は,1960年代から20年以上働いてきた「KDD丸」の後継船として三菱重工業・下関造船所で建造され,1992年2月に完成。以来,13年にわたって日本の海底ケーブルを守ってきた。もともとは海底ケーブルの修復だけでなく敷設の仕事もこなしていた。しかし,最近は新規需要が減っているため,現在は敷設用の設備を下ろして修復専門の船として活躍している。

 オーシャンリンクがカバーするのは,東は太平洋の中央辺りから南は台湾近くまでという広大な範囲。この範囲にある総延長約8万キロメートルの海底ケーブルを,韓国や中国の修復船と連携しながら守っている。いつ海底ケーブル切断といった事故が起こってもすぐ現場へ駆けつけられるよう,作業をしていないときも24時間体制で待機する。

 海底ケーブルのトラブルは,漁具による切断が多くを占めるという。「漁業関係者には海底ケーブルの位置を記した地図を配ったり,漁具が引っかかった場合は補償するので無理に外さないようお願いしている」(国際ケーブル・シップの皆田高志次長)というものの,やはりアンカーや魚網などでケーブルが切断されてしまう事故はあとを絶たない。これまでの修復実績は,2004年が4件,累計では60件ほどに上る。

 日本のインターネットを陰で支える番人として,これからもまだまだ活躍してもらわなければならない。