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 かつて,とはいってもほんの10年ほど前だが,中堅・中小企業で用いられているサーバーは,オフコン,汎用機と呼ばれ,大型で据え置き型の筐(きょう)体を採用していた。プロセサもベンダー独自仕様を含めて,様々な種類があった。しかし,現在の主流はインテル製のチップを積んだ,いわゆるIA(インテルアーキテクチャ)サーバーだ。サーバーの形状もここ数年で,タワー型一辺倒からラックマウント(thin sever)型やブレード型(ひとつの基盤に数枚の薄型サーバーを並べて用いる)などへ,著しく進化している。

 中堅・中小企業で利用されているサーバーをプロセサ搭載数で分類すると,1個のプロセサを搭載する「1wayタイプ」が59.0%。これにデュアルコア(今回から分割回答)の7.9%を加えると合計67.0%となり,サーバーの大勢を占める。また「2wayタイプ」は17.2%で,2005年の23.7%から大きく割合を落としている(図1)。

図1●プロセサタイプ別のシェア(nは調査対象企業のサーバー総数)


ブレード型の浸透はまだまだこれから

 サーバーの形状別シェアは,デスクの横に手軽に置くことのできるタワー型が62.7%と圧倒的に高い。次いで,小型で積み上げることができ,場所を取らないラック型が33.3%だ。ブレード型は1.9%で,2005年とほぼ同じ。中堅・中小企業には,ブレード型の導入は,まだほとんど進んでいないことが分かる(図2)。

図2●サーバー形状別のシェア(nは調査対象企業のサーバー総数)

 タワー型のシェアは,2005年調査では71.7%もあったが,今年のシェアは9ポイント下がった。代わりに2005年に25.0%だったラック型のシェアが,8.3ポイントも割合を伸ばしている。

 ラック型がシェアを伸ばしている背景には,サーバーのコンソリデーション(集約)があるようだ。企業の多くはかつてのITバブル期,ほとんど無計画にタワー型を導入した。このとき運用面の効率性を考慮せずに,設置場所も管理者も分散させてしまった。しかし,サーバーを企業内にばらばらに導入していると,運用面で問題が起こりやすい。このため,ラック型サーバーを使ってサーバーの設置場所を集約しようという見直しの機運が生まれつつある,と考えられる。

 サーバーの集約には,ラック型のような「スケールアウト型」のほかに,大型サーバーへのリプレースという「スケールアップ型」がある。しかし,4wayタイプ,8wayタイプといった大型サーバーの需要は,少なくとも中堅・中小企業においてはほとんど顕在化していない。

 こういった傾向は調査結果にも表れている。導入年別のサーバーの形状をみると,2003年以前に導入したサーバーはタワー型が66.9%と約7割に達する。しかし,2004年以降導入したサーバーではタワー型が54.8%に減少し,逆にラック型が40.5%と大きく割合を高めている。

 一方,ブレード型は2003年以前の1.2%から2004年以降は3.1%へとシェアを高めているが,まだ絶対数は少なく,まだまだこれからと言えるだろう。ブレード型の採用は現在のところ,IDC(インターネットデータセンター)など,サーバーを大量に用いたビジネスを展開するサービス企業に目立っている。しかし,そろそろ中堅企業にも導入の動きは見え始めている。

 次回はサーバーの設置場所や,サーバーの発する騒音について取り上げる。

 なお,調査の概要をご覧になりたい場合は,第1回をご参照下さい。

■伊嶋 謙二 (いしま けんじ)

【略歴】
ノーク・リサーチ代表。矢野経済研究所を経て1998年に独立し,ノーク・リサーチを設立。IT市場に特化した調査,コンサルティングを展開。特に中堅・中小企業市場の分析を得意とする。