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 Windows Server 2003では,1台のハードディスクを複数の領域に分割してデータ管理を容易にすることが可能だ。しかし,領域を分割するに当たっては,Windows Server 2003が用意する2種類のディスク・タイプの特徴を理解しておく必要がある。ディスク・タイプによって分割方法に制限があるためだ。

 Windows Server 2003の既定のディスク・タイプは,ベーシック・ディスクである。ベーシック・ディスクはMS-DOSから利用されているディスク管理方式であり,「プライマリ・パーティション」「拡張パーティション」「論理ドライブ」の3種類の領域に分けてディスクを管理する(図1)。

図1●ベーシック・ディスク上のパーティション構成
1台のディスクにプライマリ・パーティションを最大4個,もしくはプライマリ・パーティションを最大3個と拡張パーティションを1個作成できる。拡張パーティションの中には論理ドライブを好きなだけ作成できる。

 プライマリ・パーティションはシステムを起動するために必要なファイルを格納できるパーティションで,1つのパーティションにつき1つのドライブ文字が割り当てられる。ただし,ベーシック・ディスクにはパーティションの数が4つまでという制限があり,プライマリ・パーティションだけでは最大4つのドライブしか作成できない。そこで,より多くのドライブを作成できるようにするために用意されたパーティションが拡張パーティションである。

 拡張パーティションは,複数のドライブを管理するための入れ物であり,パーティション内部に必要なだけ論理ドライブを作成して使用する。論理ドライブから直接起動することはできないものの,ドライブ文字を割り当ててOSの一部やデータを格納できる。拡張パーティションは1台のハードディスクに1つしか作成できないが,その中に作成できる論理ドライブの数に上限はない。結局,ベーシック・ディスクには最大4つのプライマリ・パーティション,もしくは最大3つのプライマリ・パーティションと1つの拡張パーティションを作成できることになる。

 設問の環境では既に4つのプライマリ・パーティションを作成済みであるため,これ以上プライマリ・パーティションや拡張パーティションを作成できない。このような場合には,もう1つのディスク・タイプであるダイナミック・ディスクを利用する。

 ダイナミック・ディスクはWindows 2000以降でサポートされる新しいディスク・タイプであり,ベーシック・ディスクとは異なる形式でディスクを管理する。ダイナミック・ディスクでは,ベーシック・ディスクのパーティションに相当する各領域を「ボリューム」と呼ぶ。ダイナミック・ディスクには以下の特徴がある。

  • 1つのディスク上に作成できるボリューム数に事実上制限がない。
  • 複数のディスク(最大32台)にまたがるボリューム(ストライプ・ボリューム,スパン・ボリューム)を作成できる。
  • ミラー・ボリューム,RAID-5ボリュームなどのフォールト・トレラント・ボリュームを作成できる。

 ダイナミック・ディスクを利用するには,あらかじめディスク・タイプをベーシックからダイナミックに変換しておかなければならない。これには,[コンピュータの管理],もしくはdiskpartコマンドを利用する。いずれの場合も変換を完了するには再起動が必要となる。またディスク・タイプを変換する際に既存のデータが失われることはないが,念のため変換する前にバックアップを取っておくのが望ましい。

 [コンピュータの管理]を使用してダイナミック・ディスクに変換する場合には,[ディスクの管理]を開いて変換するハードディスクを右クリックし,[ダイナミックディスクに変換]メニューを選択する(図2)。変換が完了すると,ベーシック・ディスク上の既存のパーティションはすべてシンプル・ボリュームになる。

図2●[コンピュータの管理]画面でベーシック・ディスクをダイナミック・ディスクに変換する方法
[ディスクの管理]で変換したいディスクを選択して右クリックし,[ダイナミックディスクに変換]メニューを選ぶ。
[画像のクリックで拡大表示]

 一方,diskpartコマンドを使ってダイナミック・ディスクに変換するには以下の手順を踏む。

  1. コマンドプロンプト上で「diskpart」と入力して「Enter」キーを押す。
  2. 「DISKPART>」というプロンプトが表示されたら「list disk」と入力し,「Enter」キーを押す。
  3. 同じくプロンプトに続いて「select disk <ディスク番号>」と入力し,「Enter」キーを押す。
  4. 「convert dynamic」と入力し「Enter」キーを押す。

 diskpartコマンドは,ディスク・タイプの変換以外にも様々なディスク操作をサポートしている。diskpartのプロンプト上で入力できる主要なコマンドについては表1を参照してほしい。

表1●diskpartコマンドのプロンプトで入力できる主なコマンド
コマンド 説明
assign ボリュームにドライブ文字またはマウント・ポイントを割り当てる
attributes 選択したボリュームの属性を表示/設定する
convert basic 空のダイナミック・ディスクをベーシック・ディスクに変換する
convert dynamic ベーシック・ディスクをダイナミック・ディスクに変換する
create partition primary/extended/logical 選択したディスクにプライマリ・パーティション/拡張パーティション/論理ドライブを作成する
create volume simple/stripe/raid 選択したディスクにシンプル・ボリューム/ストライプ・ボリューム/RAID-5ボリュームを作成する
extend 選択したボリュームを拡張する
delete partition 選択したしたパーティションを削除する
delete volume 選択したボリュームを削除する
detail disk/partition/volume ディスク/パーティション/ボリュームの詳細情報を表示する
list disk/partition/volume ディスク/パーティション/ボリュームを一覧表示する
select disk/partition/volume 特定のディスク/パーティション/ボリュームを選択する
exit diskpart コマンドを終了する

日経Windowsプロ2005年12月号掲載
藤田 将幸=グローバルナレッジネットワーク