PR

 きょう体の小型化(薄型,ブレード型)で,サーバーの置き場所はサーバールームだけでなく,デスクトップPCのように,事務所内のデスク脇,あるいはデスク上などへ広がっている。しかし,それに伴う弊害も出ている。熱の発散及びそれを防ぐためのファンの出す騒音などだ。今回は,サーバーの小型化,高密度化といった形状変化にともなう設置場所や騒音などの弊害について,実態を見てみよう。


サーバーの設置場所は約半数がサーバールーム

 中堅・中小企業においても,サーバーは専用の置き場所がある。「サーバーの設置場所」という質問では,約半数の50.3%が「サーバールーム」と回答している(図1)。「事務所の一部にまとめて設置」は36.5%,「事務所の個々の場所」は10.9%となっている。

図1●サーバーの設置場所(Nは調査対象企業のサーバー総数)

 企業規模でみると,年商100億円以上の企業では「サーバールーム」設置が7割を超えている。逆に10億円未満では「事務所の一部にまとめて設置」が6割を超えた。

 サーバーを事務所に設置している理由は,「サーバールームが無い」が59.5%だった(図2)。ついで「サーバー管理上,管理者の近くに置きたい」が35.7%,「部門固有のサーバーなので事務所に設置してある」が22.3%となっている。企業規模別で特徴的なのは,「部門固有のサーバーなので事務所に設置してある」が,年商100億円以上の企業で4割を超えていることだ。企業規模が大きくなると,部門主導の導入が増えるために,身近にサーバーを置く傾向が高まることが分かる。

図2●サーバーを事務所内に設置する理由(Nは有効回答数)


約6割がサーバー設置場所の整理・統合を実施または検討

 最近テレビでも「増えすぎたサーバーを統合」という,今はやりの「サーバー・コンソリデーション」をアピールするCMが流れている。サーバーの増加に頭を痛めている大企業や一部の先進企業にとっては,ピンとくる内容かもしれないが,中堅・中小企業の多くは,まだまだ現実的な課題とは感じていないようだ。

 サーバースペースについては,「特に整理,統合などの必要性は感じない」が40.5%と最も多い(図3)。しかしラックマウント型への置き換えなど「サーバーが増えつつあるので整理・統合したい」が24.4%,「サーバーの設置場所に困っている」が19.9%,「サーバー管理を効率化する上でも整理・統合化の必要性は感じている」が15.6%。サーバースペースの処理については,中堅・中小企業でも検討項目に入ってきているようだ。

図3●サーバー設置場所について(Nは有効回答数)

 おそらく,中堅・中小企業の多くは,サーバーやクライアントの一元的な運用・管理に,まずは取り組むべきだろう。どこに何が導入されていて,どんなアプリケーションが稼働しているか。さらに,IT部門がセキュリティをしっかりチェックできるようにするところから始めなくてはならない。内部統制など時代の要請もあり,サーバーの一元的な管理・運用の必要は高まっている。サーバーの物理的な整理・統合は,その手段として必要に応じて実施すべきだろう。


サーバーの発生する音についてはほぼ半数が意識なし

 オフィス環境によって,「サーバーの発生する騒音」が気になるかどうかは異なる。病院や図書館など静寂が求められる場所と,電話や会話などで常にがやがやしている事務所では条件が異なる。また,サーバーが大きな音を立てていても,サーバールームに設置してあれば,気にならないはずだ。

 さて,実際の中堅・中小企業がどうかといえば,事務所の環境やサーバーから出る音について,「サーバーのファンの音は気付いているが,気にならない」が45.4%で,「音については気にしたことが無い」は29.5%(図4)。結局,7割以上が気にならないとしている。逆に「サーバーのファンの音がうるさく,相当気になる」のは,わずかに15.2%に過ぎない。

図4●サーバーから発生する音について(Nは有効回答数)

 しかし,サーバーが小型・高性能になり,しかも部門主導の導入が増えつつある状況を見ていると,事務所内,デスク付近に設置するケースは,今後も増えるだろう。その場合,サーバーの音も重要な問題になってくる。こうした流れを受けて,省スペース,静音や省電力タイプなどの「環境を考慮した」サーバー製品が,ちらほら登場している。

 次回はサーバーの設置シェア,導入予定シェアを取り上げたい。

 なお,調査の概要をご覧になりたい場合は,第1回をご参照下さい。

■伊嶋 謙二 (いしま けんじ)

【略歴】
ノーク・リサーチ代表。矢野経済研究所を経て1998年に独立し,ノーク・リサーチを設立。IT市場に特化した調査,コンサルティングを展開。特に中堅・中小企業市場の分析を得意とする。