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 フジテレビ系列である北海道文化放送(uhb)は,2006年6月1日から固定向け地上デジタル放送とワンセグサービスの2つのサービスを同時に開始した。開局時点から当面のワンセグデータ放送の基本的な考え方は,「ワンセグデータ放送コンテンツは,全ての情報を放送波で送る」である。

写真1 北海道文化放送(uhb)のワンセグ・データ放送TOP画面

 北海道文化放送では,いわゆる番組連動のデータ放送サービスはまだ行っていない。現在uhbでは,非連動データ放送として「ニュース・天気」「イベントガイド」「災害情報」「番組情報」「携帯サイトへのリンク」などを提供している(写真1)。

地デジ,ワンセグの同時開局は綱渡り

 北海道文化放送は地上デジタル放送開局に向けて,データ放送の勉強やノウハウを吸収する目的で,アナログデータ放送であるビットキャストを提供してきた。さらに,北海道の中で積極的にデータ放送を行う局が多いだろうとの予想もあり,固定向けデータ放送については,他局に負ける訳にはいかないという意識もあった。つまり新規ビジネス展開と北海道地域におけるブロックの競争のためには,データ放送の制作システムを持つ必要があった。

 そこで北海道文化放送は地上デジタル放送開始に向けて早い時期にコンテンツを自局で制作することを決定し,データ放送制作システムを導入した。

 さらに地上デジタルテレビ放送の開始に先駆けた2005年10月,編成局内にデジタルコンテンツ部を発足させた。データ放送コンテンツを含むデジタル系コンテンツを一括で制作する部署で,社内での入力の手間の削減を目的としてCMS(Content Management System)の開発を行った。開発は部の発足に合わせ10月から開始したこともあり,当初は今年6月の地上デジタル放送を開始と同時に,ワンセグサービスのデータ放送を開始することまでは想定していなかった。しかし,「CMSシステムの開発が成功したこともあり,なんとか同時スタートができるメドが立った」(原田氏)と当時を振り返る。

収入が見えているのは有料携帯サイトへの誘導だけ

 北海道文化放送は,固定テレビ向けのデータ放送に関しては,全国ネット向けにコンテンツを制作するなど積極的に展開している。しかし,ワンセグ向けのデータ放送は現時点では非連動コンテンツに限って提供している。自社制作システムを持つことになったが,ワンセグデータ放送については,現在出荷されている端末台数が少ないこと,固定型テレビ向けデータ放送とワンセグデータ放送の両方の開発にかける人的リソースが不足していることから,番組連動データ放送などは2006年秋ごろに対応する予定である。

 ワンセグによるビジネスは,「現時点で見えているのは,ワンセグデータ放送からの有料携帯サイトへの誘導だけではないか」(原田氏)。そのため有料携帯サイトの整備を優先することにした。「今年の10月をメドに携帯向けの有料公式サイトを立ち上げる予定。ワンセグデータ放送も自社制作番組に対応した番組連動コンテンツを制作し,データ放送コンテンツから有料携帯サイトへの効率的な誘導を目指す」(編成局デジタルコンテンツ部 兼 経営戦略室 リーダーの奥村大輔氏)。

 想定している番組連動データ放送は,「月~金の午前中の主婦向け番組,深夜の若者向け番組など自社制作の6番組でスタートする。これらの番組連動データ放送コンテンツから,有料携帯サイトに誘導するようにしたい」(奥村氏)と言う。

データ放送で番組表を提供

写真2 放送帯域で送られる番組表データ

 現在,北海道文化放送では,ワンセグサービスとして非連動型データ放送を提供しているが,全ての情報を放送帯域で送りきるように工夫している。つまり,放送で送られたデータ放送から2次リンク・コンテンツである携帯サイトに誘導はするものの,他局の多くが利用している通信を使った1次リンク・コンテンツサーバーは利用していない。

 1次リンクを使用せずに放送帯域で送るようにしている理由は,「利用者の規模が読めず,1次リンク・サーバーの設置を2期目にずらした。無理に1次リンク・サーバーを使って通信サイトへ誘導しても,表示されるまでに非常に時間がかかり,利用者にまだメリットが少ないと考えたため。インターネット接続を前提としていない固定型テレビ向けデータ放送と同様に,軽快な操作でスムーズに画面遷移できるサービスを提供することがモットー。繰り返し使ってもらうためには,軽快さ重要と考えている」(奥村氏)。今後もワンセグサービス利用者にとって,さくさくとコンテンツが表示さる軽快な使い勝手を追求していく予定である。

 軽快な使い勝手の例として,放送帯域での番組表提供がある(写真2)。他局では1次リンク・コンテンツなどで提供される場合が多いコンテンツだが,北海道文化放送はあえて帯域に制約のあるデータ放送で提供することでレスポンスの軽快さを目指した。テレビを見るユーザーにとって番組表は便利なコンテンツであり,身近なコンテンツから使い勝手のよいサービス提供を具現化している。

■変更履歴
初出記事中,下記の点が事実と異なると北海道文化放送から指摘がありました。記事を修正させていただくとともに,関係各位にお詫びを申し上げます。

・『「このデータ放送コンテンツを自局で制作するシステムを持っているのは,フジテレビ系列のおいて,キー局であるフジテレビ以外にテレビ西日本と関西テレビと弊社の3局だけ」と編成局デジタルコンテンツ部部長の原田靖雄氏は説明する。』の記述に事実と異なる部分があるとの指摘があり,削除いたしました。
・番組連動データ放送の開始時期が『2007年』とありましたが,『2006年秋ごろ』に修正いたしました。
・CMS開発に関わる記述および,1次リンク・サーバーを利用しない理由の記述で,誤解を招く表現がありましたので,修正いたしました。