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 各SCに届けられた部品のうち修理時に使わなかった部品は、オリコンに入ったままパーツセンターに戻ってくる。これらの部品は出荷時と逆のプロセスを経て、部品棚に戻される。棚に戻す前に部品からICタグを取り外してデータを書き直すことで、ICタグは500回程度は再利用できるという。

300万枚以上の伝票や帳票類も全廃

 部品とオリコンに取り付けたICタグは、2.45GHz帯の周波数に対応した国内ベンダーの製品である。1日のICタグの発行量(使用量)は約1万枚だ。2.45GHz帯対応のICタグを使ったのは、「13.56MHz帯対応の製品よりも読み取り距離が長い(最大1.5m)といった理由から」(パナソニックSS)である。ICタグの購入単価は約500円だが、500回程度再利用することで、実質的な単価は1円以下に下げられる。

 こうした部品管理システムを導入したことで各SCの修理技術者は、毎朝出張修理に出かける前に部品の点検作業を行わなくても済むようになった。これにより、1人の修理技術者が1日に訪問できる顧客数が増え、顧客の待ち時間が短くなるといったCSの向上と共に、売り上げの増加にもつながった。またシステム導入前には、パーツセンターからの部品の出庫と返品入庫の管理に1年間で、約300万枚の紙の伝票と約7万枚の帳票類を使っていた。システム導入によってこれらの伝票類を全廃することができ、人件費を含むコストも削減できた。

 近畿松下TSは今回のシステムを導入するために、約2億7000万円を投資した。これに対して年間のシステム導入効果は約2億1500万円の見通しで、その内訳は「売り上げの増加が1億4400万円、帳票類の全廃などによるコスト削減が7100万円だ」(深町社長)という。この計算だと約1年3カ月で、初期投資を回収できそうだ。


■プロフィール
社名:近畿松下テクニカルサービス
会社設立:1962年7月
社長:深町正博
本社:大阪府大阪市北区本庄西1-1-7
資本金:5450万円
売上高:173億円(2005年3月期)



本記事は日経RFIDテクノロジ2006年4月号の記事を基に再編集したものです。コメントを掲載している方の所属や肩書きは掲載当時のものです。