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図1 自分Linux作成作業の流れ
今回は,各ソフトウエアのコンパイルと導入を行う。
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表1 ソフトウエアのコンパイルと導入に用いるディレクトリの役割
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 自分自身の好みに合うLinuxを作ることは,決して難しくない。フリーソフトを手順よく組み合わせていくことで,ごく普通のユーザーであっても自分だけのLinuxを作成できる。本講座を読みながら,Linuxの仕組みを理解して『自分Linux』を完成させよう。

 これまでに,自分Linuxのファイル・システム構築が完了した。今回はいよいよ自分Linuxの基礎となるソフトウエアを導入していく(図1)。ここでの作業は,ファイル・システム構築のような簡単な作業とは異なり,多くのソフトウエアを一つひとつコンパイルしていくため,若干複雑な作業になる。しかし,この手順通りに進めれば,だれでも問題はなく導入できることだろう。ソフトウエアをソース・コードからコンパイルすることを通して,各ソフトウエアの役割や構成,導入手順も同時に学んでいただきたい。

 なお,今回のソフトウエアのコンパイルと導入には,自分Linux開発向けに用意した2つのディレクトリを使用する。コンパイル作業の前に,それぞれの役割を確認しておこう(表1)。コンパイルに非常に時間がかかるものや,多くのディスク領域を必要とするものがあるので注意して作業を進めよう。

カーネル・ソースの展開

 自分Linuxを構成するソフトウエアをコンパイルする際に,カーネルのヘッダー・ファイルを必要とするものがある。自分Linux開発マシンには,Vine Linux用カーネルのヘッダー・ファイルが既に導入されている。しかし,自分Linuxの構築用に用意したカーネルのソース・アーカイブに含まれるヘッダー・ファイルよりもバージョンが古い。

 そこで,ソフトウエアをコンパイルする前に,用意したカーネルのソース・アーカイブを展開し,その中に含まれるヘッダー・ファイルをコンパイル時に参照するように変更しておこう。手順は次の通りだ。


図2 カーネルのソース・アーカイブの展開とシンボリック・リンクの作成
ヘッダー・ファイルやプラットフォーム固有のシンボリック・リンクも作成しておく。
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図3 シンボリック・リンクの確認
各ソフトウエアをコンパイルする前に確認する。
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 Vine Linuxでは,カーネルのソース・コードの参照先が決まっている。/usr/src/linuxディレクトリである。実際には,このディレクトリはソース・コードが格納されたディレクトリへのシンボリック・リンクになる*1。Vine Linuxをインストールした時点で,既に/usr/src/linuxのシンボリック・リンクが作成されているため,ソース・アーカイブを展開する前にそれを削除しておく。

 本講座第1回で,自分Linux構築のために用意したカーネルはバージョン2.4.29である。「The Linux Kernel Archives」のサイト(http://www.kernel.org/)を見ていただくと分かるが,2005年4月4日にバージョン2.4.30が既に公開されている。実際には最新版を使うことをお勧めしたいが,本講座では動作確認を実施したバージョン2.4.29で解説を進めていく。

 カーネルのソース・アーカイブを展開してシンボリック・リンクを作成するまでの手順は図2の通りである。合わせて,ヘッダー・ファイルやプラットフォーム固有のシンボリック・リンクも作成している。図3のようにリンクやファイルが存在すれば,ここでの作業は完了だ。