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 夏もそろそろ終わり。お盆休みの海で焼けた皮も剥け,そろそろ秋の準備に入ろうというところ。日経コミュニケーションでは毎年この時期,大作業が行われている。約1000社が回答する日本最大の企業ネット実態調査だ。

 今年の調査結果は9月15日号に掲載するが,その結果を見て少し残念なことがあった。IP電話の普及・利用状況だ。

 IP電話の採用は伸びているが,単なる安い電話を超えた使い方があまり広がっていないのだ。IP電話を導入したユーザーのうち過半数が通信コスト削減を採用理由に挙げているのに対し,社内のコミュニケーション強化のためというのは4分の1以下。実際に使っている機能も,電子電話帳が27%程度といったところだ。「シームレス・コミュニケーション新時代」などの特集を打ってきた弊誌としては,「採用理由は社内のコミュニケーション強化」という回答がもうちょっと伸びていることを期待したのだが…。

 この結果を受けて先日,米シスコシステムズでコミュニケーション製品を統括するドナルド・プロクター上級副社長にインタビューした際,「これからはユニファイド・コミュニケーションなのだ」と説く彼に「でも普及は進んでいないのではないか」と聞いてみた。すると「IP電話の応用面では日本が2年くらい遅れているかもしれない」とのこと。例えば米国ではサンドウィッチ・ショップ「サブウェイ」の店舗を5軒経営している会社が,タイムカードのシステムとコミュニケーション・ツールを連携。年間50万ドルを節約し,店舗を30軒にまで拡大したというような事例が出ているそうだ。

 だが,日本もこれから巻き返せると思う。全体として進んでいないといっても「一皮剥けた」使い方をするユーザーの事例が出始めているのも確かだからだ。

 9月13日に開催するネットワーク・ユーザー・フォーラムのIPテレフォニー・トラックでは,そのような先進ユーザー4社に講演をお願いした。これから先,IP電話という宝の山をただの「安い電話」で終わらせないために,きっといいヒントがあると思う。ぜひ聞きに来てほしい。