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現在,東京ドームでは都市対抗野球が開催中である。優勝候補とされたチームが一回戦で次々と姿を消すなど,夏の甲子園にも負けない熱戦が繰り広げられている。

この都市対抗野球,今年の登場チームのうちNTTの名前を冠しているのはNTT東日本の1チームのみ。昨年はNTT東日本と西日本の2チームだった。分割直前の1998年,民営化直前の1984年にはいずれも6チームも出場している。優勝も,民営化前は1981年の電電東京,1975年の電電関東,1969年の電電関東,1965年の電電近畿など比較的コンスタントにしていたものの,NTTとなってからは一度もない。

民営化直前には30万人を数えた電電公社職員はNTTドコモ,NTTデータの分離や自然減などで再編成直前の98年には14万5000人にまで減った。そして,2006年3月にはNTT東西,コミュニケーョンズ,持ち株の合計で約3万人にまで減少している。これだけの大リストラを敢行すれば,野球どころではないはずと思う人もあろう。実際,いくつかのチームが休部となっている。

しかし,10万人以上の人たちはどこへ行ったのか? それは,NTT-MEやNTTネオメイト・グループを中心とする子会社である。ドミナント規制のかかるNTT東西を身軽にし,規制の緩い子会社へ実動部隊を移したのだ。だが,その子会社の社員がNTTマークの入った名刺を持って,NTT東西社員と一体的に活動していれば,NTT東西への規制は骨抜きだ。

「IP化の進展に対応した競争ルールの在り方に関する懇談会」(IP懇談会)は,こうした実態にメスを入れるべく「新競争促進プログラム2010」を打ち出した。その実態はNTTへの規制強化のオンパレードである。2010年まではNTTの組織見直しが実質的に凍結されており,その分,行為規制を強化しようとの総務省の思惑も見え隠れする(参照記事)。

NTTの民営化直後にはNTTと新規事業者が「象と蟻」に例えられていた。だが,光ファイバや携帯電話などでは,競争事業者のシェアが急迫し,もはやNTT圧倒的有利とはいえない地域もある。はたして,NTTの実力はどうなのか。総務省 vs NTTの戦いは,甲子園や東京ドームなみの大激戦必至だが,野球のように試合で決められないだけに,「強い」「いや弱い」の不毛な水掛け論に陥ることなく,しっかりとした議論を望みたい。

ちなみに,NTT東西以外のNTTチーム(といってもNTT北海道が休部となるため残るは2チームだけだが)では,選手は広くNTTグループ各社に属しているとのこと。来年は東京ドーム勢ぞろいを期待してます。