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 前回は,iPodの音をより良くするファームウエア「Rockbox」を紹介した。今回は,実際にiPodにRockboxをインストールする方法を説明する。RockboxのWebサイトには,機種別,OS別のインストール方法が詳しく紹介されている。ここでは,iPod 4G Color(iPod Linuxがインストールされている状態)にWindows XPからインストールする。つまり,iPodオリジナル(Appleファームウエア),Rockbox,IPod Linuxの,トリプル・ブートにする。

 iPod Linuxのプロジェクトが配布している「Loader2」を使うと,AppleファームウエアとRockboxそしてiPod Linuxのトリプル・ブートが簡単に実現できる。Loader2(loader.bin)は,RockboxのWebサイトからダウンロードできる。Loader2を利用するのに,iPod Linuxをインストールする必要はない。AppleファームウエアとRockboxとのデュアル・ブートも簡単に実現できる。

 loader.binをダウンロードした後に,ファイル名をインストールするiPodの機種に合ったものに変更する。例えば,5Gの場合は「bootloader-video.bin」,4G Colorの場合は「bootloader-color.bin」である。

 次に,ipodloader.confをダウンロードし,iPodのルート・ディレクトリにコピーする。ipodloader.confの中身は以下のようになっている。

timeout = 15
default = 1
Rockbox @ (hd0,1)/ROCKBO~1.IPO
Apple OS @ ramimg
Sleep @ standby
Disk Mode @ diskmode

 “default=1”は最初のファームウエア,すなわちRockboxを意味する。これを“default=2”に変更すると,2番目すなわちAppleファームウエアがデフォルトになる。

 次に,ipod_fw.exeipodpatcher.exeをダウンロードする。ダウンロード先フォルダは,例えばc:\rockboxにする。

 そして,iPodをディスク・モードでPCに接続する。このときiTunesは終了する。接続したらコマンド・プロンプトで,先ほどダウンロードしたipodpatcher.exeを実行する。ダウンロード先がc:\rockboxならば,次のようにコマンドを入力する。

cd \rockbox
ipodpatcher 0
ipodpatcher 1
ipodpatcher 2
ipodpatcher 3

 上のコマンドを実行して,iPodが発見されたらその番号を控えておく。

 次に次のコマンドを実行する。下で「N」は,上記で控えた番号である。

ipodpatcher -r N bootpartition.bin

 このコマンドは,カレント・フォルダに,iPodのファームウエア・パーティションのコピーを,「bootpartition.bin」というファイル名で作成する。ファイル容量は,iPod 4Gで40Mバイト,Nanoと5G(30Gバイト)で80Mバイト,5G(60Gバイト)で112Mバイトある。Loader2をアップグレードしたり,Rockboxをアンインストールするときに,この「bootpartition.bin」ファイルが必要なので安全な場所に保存しておく。

 iPod Linuxを既にインストールしてある場合は,iPodWizard.netのWebサイトにあるiPodWizardというプログラムを使って,Apple iPod Updateユーティリティから,オリジナルのファームウエアを抽出できる。抽出したファームウエアは,ファイル名を「bootpartiion.bin」に変更しておく。

 次に,今作った「bootpartition.bin」ファイルからAppleファームウエアを抜き出す。

ipod_fw -o apple_os.bin -e 0 bootpartition.bin

 このコマンドで,約5Mバイトの「apple_os.bin」ファイルが生成される。

 iPod 5G(Video)の場合は,さらにBroadcomのビデオ関連のファームウエアを,次のコマンドを実行して抽出する。

ipod_fw -o apple_sw_5g_rcsc.bin -e 1 bootpartition.bin

Rockbox用イメージを生成

 次に,iPodの各機種に適合したRockbox用のイメージ「rockboot.bin」を生成する。iPodの各機種ごとに以下のコマンドを実行する。

●iPod 4G Color/Photoの場合:
ipod_fw -g color -o rockboot.bin -i apple_os.bin bootloader-color.bin

●iPod 4G グレイスケールの場合:
ipod_fw -g 4g -o rockboot.bin -i apple_os.bin bootloader-4g.bin

●iPod Nanoの場合:
ipod_fw -g nano -o rockboot.bin -i apple_os.bin bootloader-nano.bin

●iPod Videoの場合:
ipod_fw -g video -o rockboot.bin -i apple_os.bin bootloader-video.bin

●iPod Mini 1Gの場合:
ipod_fw -g mini -o rockboot.bin -i apple_os.bin bootloader-mini1g.bin

●iPod Mini 2Gの場合:
ipod_fw -g mini -o rockboot.bin -i apple_os.bin bootloader-mini2g.bin

 次に「rockboot.bin」をiPodに書き戻すために,以下のコマンドを実行する。ここで「N」は,以前に発見したiPodの番号である。

ipodpatcher -w N rockboot.bin

 ここで,Windows XPのタスク・トレイにある,USBハードディスク取り出しアイコンを使って,安全にiPodをPCから切り離すと,iPodがリブートされる。リブートするとLoader2の画面が表示される(図1)。Rockboxの本体をインストールしていないので,Rockboxはまだ起動できない。


図1●Loader2のOS選択画面。この例では,Apple,iPodLinux,Rockboxが選択できる

Rockboxを起動

 iPodの機種に適合したRockboxをWebサイトからダウンロードする。ダウンロードしたzipを展開すると,「rockbox.ipod」というファームウエアと,「.rockbox」というフォルダができる。

 次にiPodをPCに接続する。iTunesをインストールしてある場合は,iPodをディスクとして認識させる。そして,先ほど展開してできたファームウエア「rockbox.ipod」と,「.rockbox」フォルダを丸ごと,iPodのルート・ディレクトリにコピーする。これでRockboxのインストールは終了である。

 Rockboxを起動するには,MENU+SELECT(中央のボタン)を5秒程度押す。Rockboxを終了するにはPlayを長押しする。RockboxのマニュアルはWebサイトにある。