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 米Microsoftは先日,レガシー・ソフトウエア製品に対するカスタム・サポート契約(CSA)の内容を劇的に変更した。これは全く予想外であった。製品によっては,無期限のカスタム・サポートがユーザー企業に提供されることになった。この変更は顧客からのフィードバックに応えて実施されたという。多くの顧客がMicrosoftに対して,新しいバージョンに切り替えるにはより多くの時間が必要であることや,移行が完了するまでレガシー製品に対するサポートを有償で受けたいということを訴えていたのである。

 これまでMicrosoftは,市場に出て10年が経過した,同社のサポート・ライフサイクルで言うところの「生産終了」段階に到達した製品に対して,2年間のCSAプログラムを提供してきた。ユーザー企業はCSAの条件に基づいてMicrosoftに一定の金額を支払うと,重要な修正プログラムやサポートを受けられた。今回の変更後は,生産終了製品に対してCSAを継続購入でき,2年が経過してもプログラムが期限切れにならなくなった。

 仕組みは驚くほど単純である。有償サポートを継続して受けたい企業だけが支払いを継続すればよく,しかもその支払いはデバイス単位である。新しいバグに関するセキュリティ修正プログラムやホットフィックスも,追加料金を払えば要求できる。

 ここで,Microsoftの製品サポート・ライフサイクルについて簡単に説明しよう。過去2~3年の間にサポート・ライフサイクルの内容は頻繁に更新されている。現在Microsoftは,業務用ソフトウエアに対して2種類のサポート・フェーズを設定している。1つ目は「メインストリーム・サポート・フェーズ」であり,製品発売後の最初の5年間(最短)がこれに相当する。

 メインストリーム・サポート・フェーズでは,Microsoftはセキュリティ修正プログラムだけでなく,セキュリティに関係しないホットフィックスも提供するほか,ユーザー企業に対して有償/無償の各種サポートを提供する。製品の設計や機能が変更されるのは,この期間中だけだ。

 2つ目のフェーズは「延長サポート・フェーズ」であり,メインストリーム・サポート・フェーズ終了後の5年間(最短)に相当する。延長サポート・フェーズでは,Microsoftはセキュリティ修正プログラムだけを無償で提供する,また,顧客は各種の有償サポートも受けられる。セキュリティ修正以外のホットフィックスを提供する「延長ホットフィックス・サポート契約」も,有償サポートの一例である。また延長サポート・フェーズに,製品の設計が変更されたり新機能が追加されたりすることはない。

 メインストリーム・サポートは,すべてのMicrosoft製品に適用されるが,延長サポートが適用されるのは業務用と開発者向けのソフトウエア製品に対してのみ適用される。OS(サーバーやクライアントのProfessional Editionのみ)やMicrosoft Office,Visual Studio,サーバー製品などが,メインストリーム・サポートの対象だ。ただし例外があり,Microsoft MoneyやEncartaなど,毎年更新される製品のメインストリーム・サポートは3年間だけである。

 製品の延長サポート・フェーズが終了した後は,新しいバージョンに移行するまで,プレミアム・サポート契約を通じて有償のCSAを締結できる。この契約で重要なのは「新しいバージョンに移行するまで」という条件があることだ。CSAは製品のライフサイクルを延長するものではなく,ユーザー企業のアップグレード・スケジュールに柔軟性を持たせるためのものである,というのがMicrosoftの主張だ。

 ところで,CSAの変更に関してはいくつかの疑問が残っている。どの製品が対象となり,どれぐらいのサポート期間が提供されるのか,また料金がいくらか明確になっていないのだ。Microsoftは「基本的には十分な需要があれば,製品に対して無期限のCSAを提供しない理由はない」と語っている。つまり,需要がない製品に対しては,無期限のCSAは提供されないということであろう。