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 米国「Windows IT Pro Magazine」の調査によれば,多くの企業ユーザーが,パッチの管理やサーバーの分散,施設リソースの問題に悩んでいるという。こういった問題の解決策の1つに挙げられているのが,サーバーの仮想化である。Windows Server 2003 R2 Enterprise Editionなら,追加のライセンス費用なしに仮想化に挑戦できる。仮想化は2007年には非常に重要な機能となるだろう。

 Windows IT Pro Magazineは先日,読者に対して「企業が直面する日々の問題とは何か」というアンケートを実施し,442名から回答を得た。その結果によれば,企業が直面する日々の問題とは,「Windowsサーバーにおけるパッチの管理」(74.9%),「サーバーの分散」(36%),「電力,冷房などの施設リソースの問題」(29%),「ダウンタイム」(19%),「相互運用性」(14.9%)なのだという(複数回答あり)。

 米Microsoft Windows Server&ツール担当グループのグループ・プロダクト・マネージャであるRik Wright氏と,Virtual Server担当グループ・プロダクト・マネージャであるJim Ni氏によると,Windows Server 2003 R2 Enterprise Edition(EE)とVirtual Serverは,まさにこれらの問題を解決するためにあるものなのだという。

 Rik Wright氏は「Windows Server 2003 R2 EEは,パッチ管理の改善を重要な課題としています。Windows Server 2003 R2 EEにVirtual Serverが組み込まれたのは,各所に散らばるサーバーやリソースを活用する問題に対応するためでもあります。UNIXとの相互運用性も,R2の重要なポイントです」と述べる。Windows Server 2003 R2には,UNIX環境との互換性を維持するためのツールである「Subsystem for UNIX-based Applications」「Identity Management for UNIX」「Services for Network File System(NFS)」といった,従来「Services for UNIX(SFU)」というツールとして提供されていた機能が統合されている。

システム管理者にもたらされる仮想化のメリットとは?

 システム管理者にとって,仮想化はどのようなメリットをもたらしてくれるのだろうか。また,仮想化を導入する上ではライセンスが常に問題になる。Windows Server 2003 R2 EEで仮想化を使用する場合のライセンス・モデルについても,Rik Wright氏らに聞いてみた。

 まずは,読者調査を元に,Windows Server 2003 R2 EEが何に使われているか見てみよう。Windows Server 2003 R2 EEの用途は,「ファイル・サーバーとプリント・サーバー」(80.5%),「データベース」(78.5%),「電子メール」(75.1%),「業務アプリケーション」(69%),「Webサーバー」(67.6%),「ネットワーク」(62.4%)という順だった。Rik Wright氏は「Microsoftは,Windows Serverがこのような用途に広く使われているということを十分に認識し,これらの用途がMicrosoftの鍵となるアプリケーションである,と思っています。Windows Server R2 EEの最大の価値は,業務アプリケーション,クラスタリング(ファイル/プリント・サーバーのクラスタリングと業務アプリケーションのクラスタリング),電子メール,データベースです」と述べている。

 また今回の調査では,多くの読者が仮想マシン上で,SQL ServerとExchange Serverを稼働させていることも分かった。これらのアプリケーションはI/Oが頻繁であるので,筆者はこの結果にとても驚いた。しかしJim Ni氏によると,この結果はMicrosoftの認識と一致しているという。「トランザクションの多いSQL Serverを仮想化したいとは思わないでしょう。しかし,部門用の小さなSQL Serverは仮想化に向いています。多くの運用環境にとって仮想化は意味のあることですが,うまく運用することが大切です。I/Oやネットワークの要件によって,仮想化技術を導入するかどうかを決定すべきです」(Jim Ni氏)という。

仮想化の第一の目的は「災害復旧」

 今回の調査では,回答者の27.7%が「災害復旧(ディザスタ・リカバリ)のために,仮想化を導入している」と答えている。Jim Ni氏は「バックアップやリストアのために仮想化を使うと,ロールバックやロール・フォアードが高速化するというメリットが享受できます。Microsoftの調査でも,仮想化を導入する理由のトップは災害復旧でした。冗長化する上で,仮想化はすばらしい方法です」と説明する。

 災害復旧以外では,仮想化の使用方法としてクラスタリングを挙げる回答者も多かった。Jim Ni氏は,「Windows Server 2003 R2 EEの可用性は高く,Virtual Serverではその特性を活用できます。そのため,Windows Server 2003 R2とVirtual Serverを組み合わせた環境に,ミッション・クリティカル・アプリケーションを配備する人が多いようです。例えば,今では8個の仮想マシンを一度にフェイル・オーバーできます。昔は,アプリケーション・レベルでのクラスタリングを検討する人が多かったと思います。今では,仮想マシンというより低いレイヤーでクラスタリングが実現できます」と説明する。

 Rik Wright氏はまた「アンケート結果には,サーバーの稼働率に関する回答もありました。42.5%の回答者が,仮想化をハードウエアの稼働率向上に使用していると答えています」と付け加える。Jim Ni氏も「これまでは,1つの目的のためにサーバーを導入するのが一般的でしたが,これだとサーバーの稼働率が低くなる傾向がありました。仮想化すれば,複数のワークロードを1つのサーバーで実行でき,稼働率を大幅に向上できます」と述べる(しかし,サーバーの稼働率が上がると,パフォーマンスが低下することは忘れてはならないだろう)。

仮想化で異なるOSの相互運用も実現する

 Microsoftは米Connectixを買収して,同社の技術をベースに「Virtual Server」の販売を始めたが,Connectix時代に存在したゲストOSでのLinux対応をしばらく中止していた。しかし今回,Microsoftはその決断を覆し,ゲストOSとしてLinuxを利用できるようにしている。Microsoftは現在,相互運用性を積極的に実現しようとしている。アンケートの結果でも,回答者の20%が1つの物理サーバー上で,仮想マシンを使って複数のOSを運用している結果が明らかになった。

 Jim Ni氏は,「Windows Server 2003 R2では,LinuxをゲストOSにできます。Linux上でのマウスやキーボードの利用も改善されました。Linuxユーザー向けのプロフェッショナル・カスタマ・サポートも提供しています。Windows Server 2003 R2 EEのVirtual Server上でLinuxを実行している場合,Microsoftにお問い合わせいただければ,可能な限りの診断を提供します。その後は,パートナの米Wiproに引継ぎ,WiproがLinuxに関するサポートを全世界で提供します。よってMicrosoftは,24時間365日のLinuxサポートを提供していると言えます」と語っている。

 Rik Wright氏は「ただ仮想マシンでLinuxに対応しているだけでなく,「System Center Operations Manager」(旧「Microsoft Operations Manager」)や「System Center Configuration Manager(SCCM)」(旧「Systems Management Server」)といった管理ツールでも,Linuxへの対応を進めています。Operations Managerのプラグインとして,サード・パーティ製のLinux用管理パックも提供されています。SCCMでは,米Quest Softwareの「Vintella」というツールと連携して,Linuxにパッチを適用できます。つまり,Virtual Serverは単なるWindowsではなく,x86とx64のインフラストラクチャを統括的に見据えているのです」と述べている。

 またMicrosoftはSystem Centerブランドで「System Center Virtual Machine Manager(SCVMM)という,企業向けの仮想データ・センター集中管理ソリューションを提供する予定だ。Microsoftでは,2007年後半にSCVMMのリリースを予定している。

 多くのシステム部門で,仮想マシンを使ってレガシー・アプリケーションを運用していることも明らかになった。Rik Wright氏は「多くのISV(独立系ソフトウエア・ベンダー)がWindows NTのサポートを終了し,古いハードウエアの保守期間も終了しかかっています。こういった古いシステムを仮想マシンに移行し,余裕のあるハードウエア上で運用するのは良いアイデアです」と語っている。

 Microsoftが最近米Softricityを買収し,アプリケーション仮想化ソリューションを入手したのは,仮想化がアプリケーションを共存(coexistence)させるために重要だと言うことを認識しているためである。例えばMicrosoftは,アプリケーションの仮想化が実現することで,Windows VistaやOffice 2007への移行が簡単になると見ている。

仮想化のために必要となるライセンスは?

 読者調査によれば,44%の読者がVirtual Serverを全く使用していないことが明らかになった。そこで,Virtual Serverを使うのにどのようなライセンスが必要となるかについても触れようと思う。Windows Server 2003 R2 EEには,Virtual Serverが付属しており,1つのOSライセンスだけで,1台の物理マシン上で最大4つ「仮想インスタンス」を運用できる。

 Rik Wright氏は「仮想インスタンスとは,仮想マシン上で実行されるOSを指す概念です。Windows Server 2003 R2 EEのライセンスを購入すると,OS1本ごとに最大4つの仮想インスタンスを実行できます。つまり,購入したWindows Server 2003 R2 EE上で,Virtual Serverを実行して,その上で4つのWindows Server 2003 R2 EEを稼働できるのです」と説明している。

 「従来は,仮想インスタンス用の割り当てはなかったので,仮想化を実行するためには,ホストOSのライセンスとは別に,ゲストOSごとにOSのライセンスを購入する必要がありました。それが現在では,OSのライセンスを1つ購入すると,4つの仮想インスタンスが使用できるので,多くの場合ライセンスを購入する必要がなくなりました。8つの仮想インスタンスが必要ならば,Windows Server 2003 R2 EEのライセンスをもう1つ購入する必要があります。OSのライセンスは,そのOSを実行するハードウエアに紐付いているので,仮想インスタンスを実行してよいハードウエアも,ホストOSが稼働するそのハードウエアに限定されます」(Jim Ni氏)

 仮想インスタンスが5つ以上必要になるのはどういう場合だろうか。「以前のライセンス・モデルでは,仮想インスタンスをインストールすると,ライセンスがカウントされていました。現在では,仮想インスタンスが起動されるまで,ライセンスはカウントされません。例えば,SAN(Storage Area Network)装置上に,1000個の仮想ハードディスク・ファイルがあったとします。これまでは,何もしなくても1000個のライセンスが必要でした。現在では,それらが起動されたときだけ,ライセンスが必要になります」(Rik Wright氏)。「4つの仮想インスタンスと起動すると,Windows Server 2003 R2 EEに付属するインスタンスはすべて使われるので,5つ目からは追加のOSライセンスが必要です」(Jim Ni氏)