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 企業における電話のIP化は着実に進行している。それは内線・外線を問わず共通の動きとなった。総務省と日経コミュニケーションの共同による「企業ネットワークの実態調査」から,それは明確に裏付けられた。

図3-A IP電話の普及率の推移  (クリックすると画面を拡大)
図3-A IP電話の普及率の推移
図3-B IP電話機の導入理由  (クリックすると画面を拡大)
図3-B IP電話機の導入理由

 最もIP化が進んでいるのが,内線電話のIP化となる「拠点間VoIP」。2006年の最新集計データでは,導入済みの企業は37.8%に到達した。次いで,「外線IP電話」の15.7%,電話網そのもののIP化に相当する「IP電話機」が10.9%。いずれも右肩上がりの普及ペースを維持している。

 その一方で注目すべき数字の動きがある。「導入予定」あるいは「検討中」と回答した企業数を合計した“導入予備軍”の比率が減り続け,「予定なし」が総じて拡大していることだ(図3-A)。

 このような先細り傾向を示す原因を,IP電話機の導入理由に見ることができる。上位に並ぶのは「通信コストの削減」「PBXの更改時期」「引越し・組織改正」(図3-B)。この状況は過去3年間で大きく変わっていない。電話のIP化は業務スタイルの改革を引き起こすところまでは至っていないようだ。

直収電話ユーザーが急増

 歩みの鈍るIP電話に対して,急速に存在感を高めているのが直収電話(新型固定電話)である。KDDIの「KDDIメタルプラス」や日本テレコム(10月1日からソフトバンクテレコム)の「おとくライン」は,個人ユーザーから企業ユーザーに戦略の軸足を移行させ,着実にユーザー数を増やしている。

 今回の調査では,直収電話を「導入済み」と回答した企業は15.3%。前年調査の4.8%から大幅増となった。しかも前回の調査では,マイラインと混同した企業ユーザーも少なからず存在した。対して今回調査の結果を聞き取りで確認したところ,マイラインとの混同はほとんど見られなかった。むしろ,「直収電話の売り込みはかなりある」といった認知度の高まりを裏付ける声が聞かれた。これらを考慮すると,直収電話市場の成長は数字以上のものがありそうだ。

 このように電話のIP化は,2006年に踊り場を迎えた。それは,拠点間VoIP外線IP電話IP電話機といった区別なく起こっている。