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 イーサネットは最初,伝送速度が10Mビット/秒のLAN技術の一つに過ぎなかった。オフィス内や建物内など,比較的狭いエリア(ローカル・エリア)で,複数のコンピュータが通信し合うネットワーク技術として誕生した。

 それが今では,どんなオフィスでも使われているLANの標準技術の位置付けにある。オフィスにとどまらず,活躍の場を家庭内ネットやWANにまで広げている。さらに,当初の100倍に当たる1Gビット/秒のイーサネットが登場。標準で1Gビット/秒のイーサネット・ポートを備えるパソコンも珍しくなくなっている。

 イーサネットがこのように進化してきた結果,誕生当初と比べて見ると,そのしくみはかなり変わっている。

 そこで今回の特集では,“今どきのイーサネット”の基本を学んでいこう。今どきのイーサネットといっても,昔から変わらない部分もあれば,ガラッと姿を変えた部分もある。そこでまず最初は,新旧のイーサネットを比較しながら,今どきのイーサネットをイメージしてもらおう。

10Mから100M,そして1Gへ

 約10年前,オフィスのパソコンがつながるイーサネットは,1990年にIEEE802委員会*1が定めた10Mビット/秒の規格10BASE-Tテンベースティーだった(図1)。当時の先端ユーザーは最新パソコン(CPUが60MHz動作のPentiumペンティアム)に10BASE-T対応のLANアダプタ*2を取り付けて,LANケーブルにつないでいた。そのLANケーブルの先には,リピータ・ハブ*3と呼ばれる装置があり,イーサネットのLANを構成していた。

図1●昔に比べてこんなに違う今のイーサネット
図1●昔に比べてこんなに違う今のイーサネット
10Mビット/秒だった昔のイーサネットに比べて,今のイーサネットは100Mビット/秒や1Gビット/秒と大幅に高速化している。そのため,LANアダプタ,LANスイッチ,ケーブルも大きく進化を遂げている。
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 それが今では,伝送速度が100Mビット/秒のイーサネット規格100BASEヒャクベース-TXティーエックスが主に使われている。1Gビット/秒のイーサネット規格1000BASE-Tセンベースティーもサーバー接続など一部で利用が広がっていった。

 100BASE-TXや1000 BASE-Tといったイーサネットを利用するには,各規格に対応したLANアダプタが必要。こうしたLANアダプタを搭載するのは最新鋭のパソコン(CPUが3GHz動作のPentium 4)などである。

機器からイーサネットの進化を追う

 こうしたパソコンとケーブルでつながるのは,リピータ・ハブではなくLANスイッチ*4に変わった。細かいところを見ると,実はLANケーブルの種類も違っている。

 このように,ネットワーク技術であるイーサネットが進化していくと,それに伴ってLANを構成する装置やケーブルも変わっていく。つまり,今どきのイーサネットを読み解くカギは,LANを構成するこれらの装置の変化にあると言えるのだ。

 では,新旧のイーサネットで様変わりした点を具体的に見てみよう。

 一番大きな変化は伝送速度だろう。10Mビット/秒から1Gビット/秒に,この10年間でなんと100倍も速くなった。この変化をもたらしたのは,LANアダプタの進歩だ。最新のLANアダプタには,1Gビット/秒の速さで通信するために,さまざまな工夫が盛り込まれている。

 さらに,1Gビット/秒ものデータを誤りなく相手まで届けるために,LANアダプタが作った電気信号を中継するLANケーブルの性能も上がっている。

 この辺りを探ると,今どきのイーサネットが見えてくる。