マイクロソフトの次期クライアントOS「Windows Vista」が,いよいよ誰でも試せる段階に入った。Windows Vistaの「Release Candidate 1(RC1)」が,Webサイトからダウンロードできるようになったのだ。Windows Vistaの開発は2006年10月末までに完了し,企業ユーザー向けに11月から販売される。一般消費者の手元に届くのは2007年1月以降になる。今回はWindows Vista RC1の入手方法を確認しよう。
これまでRelease Candidateは,「製品候補版」と日本語で呼ばれていた。しかしマイクロソフトはWindows Vistaでこの訳語の使用を止め,「RC1」とだけ呼んでいる。もちろん,RC1が製品版に最も近い評価版であることに変わりはない。Windows Vistaに搭載される全機能が,RC1には搭載されている。ようやくWindows Vistaのすべてが試せるようになったわけだ。
Windows Vista RC1の注意点
Windows Vista RC1をテストする前に,いくつか注意するべき点があるのでそれを確認しよう。まずWindows Vista RC1は,2007年6月1日で有効期限が切れる「期限付きソフトウエア」であり,6月1日以降は起動できなくなる。また6月1日までは,Windows Vista RC1にも「更新プログラム」が提供される。既に図1に見られるように,4件の更新プログラムがWindows Updateから適用可能である。今のところ緊急のセキュリティ修正プログラムは提供されていないが将来的に緊急の更新プログラムが出てくることもありうるだろう。OSの「自動更新」機能は有効にしておこう(図2)。
![]() 図1:Windows Vista RC1で更新プログラムの適用状況を確認した [画像のクリックで拡大表示] | ![]() 図2:コントロール・パネルで自動更新機能の詳細を設定できる [画像のクリックで拡大表示] |
![]() 図3:Windows Vistaのマイクロソフト管理コンソール。見た目はWindows XPと大差ない [画像のクリックで拡大表示] |
Windows Vista RC1をダウンロードしよう
![]() 図4:Windows Vista RC1のダウンロード・サイト [画像のクリックで拡大表示] |
今回は無償の手段である「Windows Vistaカスタマ・プレビュー・プログラム」でのダウンロード法を紹介する。手順は極めて簡単で,Windows Vistaカスタマ・プレビュー・プログラムのWebサイトにアクセスして,「Windows Vista RC1のダウンロード」の項目にある[今すぐダウンロード]の項目で[日本]を選んで[Go]をクリックすればよい(図4)。
Windows Live IDのログオン画面に移動してログオン処理を済ますと,Windows Vista RC1のインストールに必要となる「プロダクト・キー」が表示される。このプロダクト・キーは,後からメールで送信されてくるが,念のために印刷しておくと便利だろう。このプロダクト・キーを使って,最大10台までのマシンにWindows Vista RC1をインストールできると記されている。Windows Vista RC1はライセンス認証(アクティベーション)が必要であり,1つのプロダクト・キーで最大10台がライセンス認証できるという意味だ。この画面で[日本語]のリンクをクリックすると,ダウンロード・ページに移動する。
「Download Manager」を使うのが効率的
![]() 図5:Download Managerの画面 [画像のクリックで拡大表示] |
Download Managerを使うと,ダウンロード作業の一時停止などが可能になる(図5)。ダウンロードが途絶えた場合にも,自動的にダウンロードが再開される。なおDownload Managerを使うためには,米Akamai Technologiesが提供するActiveXコントロールをインストールする必要がある。
残念ながら筆者の環境では,Download Managerを使ってもDVDイメージ・ファイルのダウンロードに失敗した。現状で一番確実なのは,MSDNやTechNet Plusでのダウンロードになるだろう。これらの有償サービスを利用していないユーザーなら,DVDを注文するのが一番確実だ。DVD-ROMの発送は「10月上旬に開始する」(マイクロソフト広報)という。このほか10月からは,パソコン雑誌などにもWindows Vista RC1のDVD-ROMが添付される予定なので,そちらを利用するのもよいだろう。