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PDA(携帯情報端末)と携帯電話/PHSの機能を備えた端末

 スマートフォンは、パソコン向けのWebサイトや各種文書ファイルの表示,インターネット・メールの送受信などができる高機能な携帯電話/PHS端末の総称である。一般に,パソコンと同様にアプリケーションをユーザーが自由に選んで搭載できる。なかには、プログラミング可能な端末もある。ソフトフォンを搭載して、無線IP電話として利用できる製品もあり、携帯電話/無線LANデュアル端末のように使える。

 2004年末以降、国内でも製品が登場し始めた。NTTドコモの「FOMA M1000」(米モトローラ製),ボーダフォンの「Vodafone 702NK/同II」(フィンランドのノキア製),ウィルコムの「W-ZERO3」(シャープ製)などの端末である。これらは,英シンビアンの「Symbian OS」や米マイクロソフト「Windows Mobile」などの汎用的なOSを採用した製品が多い。パソコンや各種サーバーと連携させる企業向けのソフトウエアや開発ツールが提供されている。

 スマートフォンと呼ばれる製品は以前からあったが、それほど利用されていなかった。それが普及の兆しを見せ始めた。そのきっかけは、ウィルコムのW-ZERO3(写真1)。Windows Mobileを採用したことで,ノート・パソコンの代用として台頭してきた。Outlookを使ってメールを送受信したり、スケジュールやアドレスを管理したりできる。また、Word、Excelのファイルの閲覧・編集も可能である。パソコンと同じQWERTY配列のキーボードを搭載したことも普及を後押しした。

写真1●シャープの「W-ZERO3」(ウィルコム)

 W-ZERO3は2005年12月の発売以来、販売台数は15万台を超えるという。後継機「W-ZERO3[es]」(2006年7月発売)も好調である(写真2)。この背景には、無線通信が高速化されたことと、定額制サービスが導入されたこともある。

写真2●シャープの「W-ZERO3[es]」(ウィルコム)

 この状況を見て、ほかのキャリアなども積極策に転じている。NTTドコモは7月に,台湾のハイ・テック・コンピュータ(HTC)製の「hTc Z」を、法人を対象に発売(写真3)。10月から個人にも販売開始した。9月にカナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)製の「BlackBerry」を投入する(写真4)。ソフトバンクモバイル(旧ボーダフォン)もHTC製「X01HT」を10月以降に発売する(写真5)。

写真3●台湾のハイ・テック・コンピュータの「hTc Z」(NTTドコモ) 写真4●カナダのリサーチ・イン・モーションの「BlackBerry」(NTTドコモ) 写真5●台湾のハイ・テック・コンピュータの「X01HT」

 スマートフォンはWindows Mobileといった汎用OSを搭載しているため、アプリケーションが今後増えていく。従来PDA用に開発したアプリケーションを容易に移植できるからだ。たとえば、沖電気工業が9月に発売した「Com@WILLソフトフォンポケット」がその例である。hTc Z上で動作するソフトフォンである。屋外では携帯電話として利用し、社内では無線LANを介して無線IP電話として使える。

 今のところ、スマートフォンは個人ユースが多いが、今後、企業に導入される可能性が高い。少なくとも、携帯キャリアは企業を狙っている。北米では,企業のメール端末としてBlackBerryがヒット。Windows MobileでもExchange Serverと接続して企業ドメインのメールを受信できるようになった。ウィルコムとNTTドコモは、これに倣った販売戦略を持つ。

 NTTドコモは,つい最近までhTc Zを法人にのみ販売していた。hTc Z単体としてではなく,Exchange Serverと連携させたソリューションとしての販売である。ウィルコムは8月,Exchange Serverを提供するASP(Application Service Provider)サービス「Access P-BERRY」を開始した。自社内にサーバーを設置せずにExchangeを利用できるサービスである。