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 Atomは,WebサイトなどのコンテンツをXML文書として記述するための書式仕様です。主にブログやニュース・サイトなどのコンテンツを配信,集約する「フィード(feed)」を記述するために利用されます。

 Atomの文書形式には,feed要素をトップ・レベルに持ち,情報のリストを表す「Atomフィード文書」と,entry要素をトップ・レベルに持ち,個々の情報を表す「Atomエントリ文書」の2種類が定義されています。entry要素は,単体でAtomエントリ文書を表すほか,Atomフィード文書の中でfeed要素の子要素として現れることもあります。

 Atomに似た役割を持つ仕様としては一足先に普及した「RSS(Really Simple Syndication,RDF Site Summary)」があります。RSSは主としてWebサイトの要約を配信することが目的で,コンテンツ本体はWebサイトに置くことを想定して作られたため,ブログなどの普及に伴って高まってきた「コンテンツそのものを配信したい」というニーズに応えきれない面があります。

 そこで米IBMの上級技術者であるSam Ruby氏が,RSSより現状に即した新たな仕様が必要だとして仕様を検討するWikiを立ち上げたのがAtom策定のきっかけとなりました。当初,この新仕様はEchoという名前で策定作業が進められましたが,後にAtomと改められました。

 Atomは2005年12月にインターネット技術の標準化組織「IETF(Internet Engineering Task Force)」の標準仕様となり,“The Atom Syndication Format”として仕様書が公開されています(RFC4287)。

 インターネット上では,AtomだけでなくRSSもまだ広く使われています。RSS自体にも複数のバリエーションがあるなど,現在は仕様が林立している状態です。ただ,これらの配信データを収集,整理するためのツールは,AtomとRSSのどちらにも対応していることが多いので,エンドユーザーにとっては混乱の大きな種にはなっていません。