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 日経マーケット・アクセスが企業の情報システム担当者を対象に行った調査で,2006年9月の「IT予算執行率INDEX」は平均-4.5%だった(11月6日付け記事参照)。何らかの分野で予算執行が予定通りでなかったとする回答者に,担当領域全般を俯瞰して予算執行が予算通りでなかった理由を聞いた。

 今回は製造業はIT予算執行率INDEX-7.5%と低かった(11月8日付け記事参照)が,製造業の回答者が挙げた「予算と執行のずれの理由」のうち14.6%が「プロジェクトの先送り」。「プロジェクトのキャンセル」「会計処理上の都合による執行予定の先送り」「工程見直しによる1カ月程度の先送り」と合わせてほぼ4分の1を占める。これに対し「新プロジェクトの発生」という積極的なIT投資姿勢を理由に挙げたのが16.7%。「プロジェクトの前倒し」も6.3%あり,執行率INDEXの低さの割りには,比較的積極的なIT投資姿勢が見える。とはいえ,「予算執行率」についての回答数に比べると「予算と執行のずれの理由」への回答数は約半数である点を,多少差し引いて考える必要があるかもしれない。

 同様にサービス業も,IT予算執行率INDEXは-6.2%と未達傾向だが,「ずれの理由」は「新プロジェクトの発生」~「会計処理上の都合による執行予定の前倒し」という積極投資サイドと,「プロジェクトのキャンセル」~「会計処理上の都合による執行予定の先送り」という消極投資サイドが,比率の合計ではともに23.0%できっ抗していた。

 「流通業」はこの設問への回答数が30件に満たないため参考値程度だが,「新プロジェクトの発生」が23.8%と高い。予算執行率INDEXでは今回,流通業は-3.2%と予算未達に転落しているが,「ずれの理由」の設問ではここも積極的なIT投資の面を挙げる回答の比率が高く出た。

◆注
 調査実施時期は10月上旬~中旬,調査全体の有効回答は2283件,うち情報システム担当者の有効回答は513件。本文中の「IT予算執行率INDEX(平均の予算執行率)」は,選択式回答の「50%超の未達」を-65%,「20%~50%の未達」を-35%,「10%~20%の未達」を-15%,「10%未満の未達~10%未満の超過(ほぼ予算通り執行)」を0%,「10%~20%の超過」を+15%,「20%~50%の超過」を+35%,「50%超の超過」を+65%に換算して加重平均した。
 「製造業」は「機械製造」,「コンピュータ,周辺機器製造」,「その他電気・電子機器製造」,「上記3種以外の製造業」を合計した。
 「サービス業」は「サービス業(マスコミ,広告,デザイン,飲食店,その他)」,「専門サービス(弁護士/会計士など)」,「金融/証券/保険業」,「運輸/エネルギー」,「通信サービス」,「情報処理/ソフトウエア/SI・コンサルティング/VAR」の合計。
 「流通業」は「商社」,「コンピュータ関連販売」,「上記2種以外の流通/小売」の合計。
 なお本調査ではコンピュータ関連業種の回答者にも「自社の業務処理のためのIT投資」について回答することを求めた。

図●9月のIT予算執行が,予算通りでなかった理由(回答者の担当領域全般について,業種別)