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回答

あります。IPセントレック・サービスやIP電話アウトソーシング・サービスを使ってください。

 IP電話の導入に関しては、企業側の規模や業務内容によって導入方法や内容が変わります。さらに運用方法によっても導入内容は大きく変化します。

 企業がIP電話に大きく期待することは低コストの導入と運用が中心です。それを実現するのが、IPセントレックスです(図1)。IPセントレックスとは企業にPBX(構内交換機)を持たないで、電話の交換業務や保守業務をIPセントレックス事業者が行うサービスです。特に比較的小規模な拠点を数多く分散して保有している企業にとっては、初期導入のコストと運用コストが抑えられます。

図1●IPセントレックス・サービスの概要

 IPセントレックスを構築する事業者の中には、IP電話10台を導入するときの初期導入費が1万円程度で、月々の運用費が1台当たり2500円程度(通話料は除く)で販売しているところもあります。月々の運用費の中にはインターネット回線使用料と運用監視料、050電話番号使用料(IP電話機それぞれに050番号が割り振られます)が含まれています。

ユーザーの「こだわり」に対応できなったIPセントレックス

 IP電話創世記(2003年頃を筆者はそう呼んでいます)にはIP電話の真のスタイルはIPセントレックスと考えられていました。

 しかしながら、大手の通信事業者やインターネット接続プロバイダが提供しているIPセントレックスへの加入者が思った以上に伸び悩んでいます。表1に主なIPセントレックス・サービスを挙げます。このほか、ソフトバンク・テレコムなどがIPセントレックス・サービスを提供していました。

 なぜ日本の企業ではIPセントレックスが普及しないのでしょうか?

 筆者は、日本の企業では独特の電話に対するこだわりがあり、その「こだわり」をIPセントレックスでは満足できずにいるのではと考えています。その「こだわり」は、企業にとって費用よりも重要な位置にあるのでしょう。

 大手IPセントレックス事業者は、IPセントレックス・サーバーにより標準的なサービスを展開します。ユーザーごとの「こだわり」をすべて実現しようとすると、コストが増大する方向に向くため「こだわり」を吸収できない状態に陥りました。

 また、IP電話創世記はADSL時代であったためIP電話インフラにより向いているFTTHがあまり普及しておらず、値段も高価なために運用コストは旧電話設備の方が安くなっていました。

 このようなことも、IPセントレックスの伸び悩みの原因だと思います。

アウトソーシング・サービスに注目

 2006年に入り「IPセントレックス」と言うイメージを引きずらない、「IP電話アウトソーシング・サービス」と言うものが出てきました。

 これはIPセントレックスとほぼ同じサービスを含みますが、さらにIP電話の導入設計から設置、保守運用を行ってくれるサービスが付加されています。

 現在筆者が知っているサービス事業者はNECネッツエスアイ,沖電気工業,日立情報システム,富士通の4社です。

 このように、IP電話アウトソーシング・サービスを行っている企業は、通信事業者やプロバイダではなく、システム・インテグレータやPBXメーカーです。

 また異色なサービスを提供しているところとしてアイルネット(http://www.islenet.co.jp/)があります。「Skyビジネスフォンサービス(http://www.050ip.jp/)」というサービスを提供しています。このサービスが目指しているものは(1)初期設備費用がゼロであること、(2)固定設備(PBXなど)を所有する必要がないこと(いつでも解約可能、変動費化可能)、(3)人数増加に1台単位で柔軟に対応できること、(4)面倒な管理を任せられること、(5)納期や変更対応が早いこと、(6)これからさらに進歩するIP技術を利用可能であること、(7)便利なオプションが利用したい分だけ利用できること、などです。導入する企業側には大変嬉しい内容となっています。

 筆者はIP電話アウトソーシング・サービスには大きく三つの要素が必要と考えています。
(1)IP電話に対する設計、施工が柔軟に対応できる
(2)光通信網を安価に安定的に提供できる
(3)運用保守がタイムリーに対応できる

 この三つの要素を満足させるには、IP電話メーカー、システム・インテグレータ、IPインフラ事業者がそれぞれの枠を超えてサービス提供に向けて取り組む必要があります。

 筆者も自分自身の会社を創業した当時は、電話と言えば家庭で使う電話機に子機を複数台付けて、それで「良し」と思っていました。しかし、ビジネスフォンを使うことにより、たとえ台数が少なくても安価にビジネスフォンを使える手段があれば、どれだけコミニュケーションの手段として効率化できたかと振り返ることがあります。

 IP電話の技術が向上するにつれ、モバイル化が進む現在、1年前の技術や設備が陳腐化する中で、設備を保有することよりも、設備をリースすることの方が恩恵を受けやすいと考えられます。

 最近NTT東日本やNTT西日本が広域に渡ってIP電話の障害を発生させていますがこれは広域をカバーする大型のシステム運用が招いていると考えられます。私は、IP電話アウトソーシング・サービスは地域密着のスモール・サービスが実現できてこそ安定的な安価なIP電話サービスを展開できると信じています。

 その鍵を握るのは地方に点在している電話の電設業務を展開している中堅会社です。

 電設会社がIP電話アウトソーシング・サービスを提供し、それらが連携することにより大手通信事業者に匹敵するIPセントレックス網ができると信じています。

 IP電話導入や運用には最低の費用は発生します、しかし、サービスや機能には上限が見えない状態です。IP電話導入に躊躇せず、IP電話導入を行ってみませんか?

 きっとIP電話の良さが見えてきます。


柿原 亘(かきはら わたる)
スカイウェイブ株式会社 福岡R&Dセンター センター長
福岡県大牟田市出身
大牟田高校電気科卒業後三井石炭勤務。平成元年ソフトハウスに移籍、主にOA系システム開発。平成9年独立、携帯コンテンツ、ネットカフェ立上げ。平成12年スカイウェイブ。IP電話事業に従事。IP電話の将来性に惹かれIP電話の企画、営業を担当。現在、福岡でIP電話ソフト開発関連施設の立ち上げに従事している。