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 Webサイトを使うかどうかは、ユーザーが決める。その決め手は、お得か、便利か、そして使い勝手に問題がないかといった要因である。前回に引き続き、キリンビールのサイトを例に取って、サイトのユーザビリティ、アクセシビリティについてチェックした。

明示したいテキストリンクの存在

 キリンビールのサイトを訪問してまず目に付くのが、たくさんのテキストリンクだ。赤、青、緑、黒に色分けされ、ジャンルの区別は分かりやすい。しかしどのテキストならクリックできるのかは、マウスオーバーするまで分からない。

 すべてのテキストがクリックできるなら問題は少ないが、例えばカテゴリーのラベルとなっている「新着情報」「ニュースリリース」「お知らせとお願い」「おすすめのキリン情報」などは画像で作られているものの、リンクのあるテキストと類似の書体に見える上、同じ色を使っているので思わずクリックしそうになる。文頭に赤い右向き矢印のある場合はリンクがあるように見えるが、「お知らせとお願い」のカテゴリーではこのルールではない。

 また一度クリックしたテキストリンクの色はクリック前と同じだ。ちょっと油断すると、同じコンテンツページを何回も開いてしまう可能性もある。

図1
図1[画像のクリックで拡大表示]

 デフォルトでは未訪問のリンクカラーは青、一度訪問した後は紫となる。またリンクには下線がある。多くのインターネットユーザーはこのルールに慣れているので、各サイトで独自のルールを適用すると使いにくいと感じられる可能性が高い。

 もちろん、下線をリンクのないテキストに使ったり、リンクのない個所に青や紫を使うこともユーザビリティを低下させることになる。

 キリンビールサイトでは、こういったことを承知のうえであえてクリエイティブデザインを優先させているのだろうが、Webサイトに慣れた人ほど使いにくいと感じるのではないだろうか。

リンクとその受け皿ページの同期に注意

 更新情報の提示方法にも使いにくさがあった。

 例に挙げた11月15日の新着情報は3本。いずれも「○○を更新しました」というカテゴリー名を示すだけの書き方で、どう更新されたのかのアピールはない。よほどのファン以外は、新着情報に書かれた内容でリンクをクリックしないのではないだろうか。

 またこれらのリンク先も、ユーザビリティ上は問題がある。

 「富士御殿場蒸溜所サイト更新しました!」も「roseslive Music情報更新しました!」も、それぞれのカテゴリートップページへリンクする。更新された情報ページではないので、リンク先でもう一度該当するリンクを探さなくてはならない。もちろん更新情報だけを見てもらうことが、キリンビールの目的ではないから、サイトの情報をたくさん見てもらおうという意思を感じられるこの戦略は間違っていない。ただし、ユーザビリティ上は少し不便であることを十分考え、リンク先のページでどこが更新情報なのかを分かりやすく示してあげることが望ましい。

 「富士御殿場蒸溜所サイト」では「NEW」の文字があり、さらにヘッダ近くの目に付きやすい位置に該当するリンクがあるので、訪問者のストレスは少ないだろう。しかし「roseslive Music」はやや探しにくい。フッタに近いところに、別の情報に埋もれるように該当するリンクが置かれていた。

 大きな問題は3本目の、キリンラガー「変わらない仲間」が更新された、と書かれているリンクである。クリックしてみると「変わらない仲間」のトップページに飛んだ。しかしリンク先でいくら探しても、どこが更新されたのか分からなかった。こういった状態は、ビジターのイライラを募らせる。

図2
図2[画像のクリックで拡大表示]

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