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 ITエンジニアのキャリアは,以前に比べると,ずいぶんと「複線化」してきました。

 以前は,おおざっぱに言えば,プログラマ→SE(SEという言葉の意味もあいまいですが)→プロマネ(または管理職)という「単線」のキャリアしかありませんでした。それが今では,ITアーキテクトやコンサルタントなど,複数のキャリアパスを用意しているITベンダーが増えてきました。

 これは,経済産業省が2002年末に発表したITスキル標準の存在も大きいでしょう。ITスキル標準は,ITベンダーに所属するITエンジニアのスキル・レベルとレベルごとに必要なスキル,職種などを定義したもの。最新版のITスキル標準V2では,

  1. マーケティング
  2. セールス
  3. コンサルタント
  4. ITアーキテクト
  5. プロジェクトマネジメント
  6. ITスペシャリスト
  7. アプリケーションスペシャリスト
  8. ソフトウェアデベロップメント
  9. カスタマサービス
  10. ITサービスマネジメント
  11. エデュケーション
という11職種を定義しています。

 また,経済産業省が2005年に発表した組込みソフト開発者向けの組込みスキル標準(ETSS)2006年版でも,組込みソフト開発者の職種として,

  1. プロダクトマネージャ
  2. プロジェクトマネージャ
  3. ドメインスペシャリスト
  4. システムアーキテクト
  5. ソフトウェアエンジニア
  6. ブリッジSE
  7. 開発環境エンジニア
  8. 開発プロセス改善スペシャリスト
  9. QAスペシャリスト
  10. テストエンジニア
という10職種を定義しています。

 さらに,ユーザー企業向けの情報システムユーザースキル標準(UISS)でも,

  1. ビジネスストラテジスト
  2. ISストラテジスト
  3. プログラムマネージャ
  4. プロジェクトマネージャ
  5. ISアナリスト
  6. アプリケーションデザイナー
  7. システムデザイナー
  8. ISオペレーション
  9. ISアドミニストレータ
  10. ISアーキテクト
  11. セキュリティアドミニストレータ
  12. ISスタッフ
  13. ISオーディタ
という13の「人材像」を定義しています。

キャリア・デザインが必須に

 こうした職種や人材像が一般化していけば,エンジニアにとって,将来のキャリアパスの数は増えていくでしょう。これまでのように,「年を取れば,適性のあるなしにかかわらず自動的にプロマネになる」といった「単線的」なキャリアパスは減っていくはずです。これは,エンジニアにとっては,歓迎すべきことです。

 最近では,人材の流動化も進んでいます。実際,20歳代のエンジニアに話を聞くと「今の会社にずっといるつもりは毛頭ない」「いずれは起業したい」といった言葉が自然に出てきます。若いエンジニアほど,転職や起業が自然なものになってきています。

 様々な職種や転職,起業…。エンジニアにとって将来のキャリアパスが増えるということは,逆に言えば,それだけ自分自身で「キャリア・デザイン」をまじめに考えなければならない時代になった,と言えます。上で挙げた職種にしても起業にしても,やはり「適性」があるからです。プロジェクト・マネジャーに向かない人がプロジェクト・マネジャーになれば,本人にとって不幸なだけではなく,プロジェクトも悲惨な結果になります。コンサルタントに向かない人がコンサルティングをしても,やはり本人にとっても顧客にとっても不幸な結果になるでしょう。ほかの職種についても同様です。

 となれば,20代~30代前半までに,自分自身のキャリアをデザインすることがますます重要になるはずです。そこで,ITproでは,エンジニアのキャリア設計のためのサイト「キャリア・デザイン」をスタートさせました。一段高い自分を実現するために有益な情報をどしどし提供する予定です。ぜひご期待ください。