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林 恭司氏

 IP電話の普及は伸び悩んでいる。市場予測では大きな伸びを見込んでいるが,必ずしもそんなに売れるとは限らない。なぜなら,IP電話にする目的そのものが把握できていないからだ。

 たとえばコスト削減ということをよく聞くが,単純な機器コストの比較だけではコスト削減は難しい。IP電話は高価であるから,機器だけを比べるとコストダウンどころかコストアップになってしまう。

 また,生産性の向上という点でも,単純にIP電話にするだけではだめだ。業務の仕組みが全く同じであれば,業務効率の改善はさほど見込めない。

 今は導入に際して出されるキーワードも電子電話帳,ソフトフォン,クリック・ツー・ダイヤル,ボイスメールなど,電話を使ううえでの利便性ばかりがうたわれている。

 しかし,「電話はキーワードではない」と我々は考える。

 IP電話の中身を見てみると,電話という言葉がある以上,当然電話機能がある。でもそれだけではない。実はもう一つの機能,アプリケーション機能が入っている。

 電話としては従来の電話とほぼ同等で,アプリケーション機能としてはパソコンに比べて若干落ちる。そういったものがIP電話だ。

IP電話は情報機器+電話機能

 パソコンと比べて高度な処理ができないなどの短所はあるが,XML(extensible markup language)を使ったいわゆるWebのアプリケーションが動く,キーパッドやタッチパネルを使うことで入力が簡単,省スペースであるといった長所がある。

 さらに,基本的な電話機能を備えている。ここがポイントだ。多くのベンダーが電話,電話と言っているが,基本的な電話機能も備える情報機器だというように考えてはどうか。

 電話を主体にするのではなく,高度情報端末としての機能を中心にIP電話をとらえていく。

 従来からあるように電話だけの単純なIP化では,端末から端末までオールIP化しているのに電話としてしか使われない。そうではなくて,情報端末として扱う。

 例えば,人事データベースと連携してIP電話に人事情報,所属と氏名,それから画像データを表示させるようにする。また受付にIP電話を置き,来客した人は訪問相手をタッチパネルを使って名前で検索すると,人事データベースからの情報が映し出され,ボタンを押すと内線電話がつながるということも可能になる。

 ほかにもグループウエアと連携させることもできる。例えばスケジュール機能。会議や打ち合わせなど予定時刻の15分前などにIP電話を使って時刻が迫っていることを知らせる。また,その日のスケジュールを表示させて,個別の予定を押すと詳細内容が分かるようにする。

 これらは,一切電話としての機能を使っていない。情報端末として使っている。そこがポイントになる。

 電話については使えれば良いという発想で考える。それよりも,従来パソコンもしくは専用システムで対応せざるを得なかったものが,情報端末として使うことで色々なことができるようになる。そのための支援を我々はしていきたい。