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図を書き込んだページは切り離し、顧客や案件ごとに束ねる
 新日鉄ソリューションズで、SFA(セールス・フォース・オートメーション)の導入や、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)事業の立ち上げに奔走する五味隆は、入社から今春まで15年間、ほぼ一貫してOracle製品の営業に携わってきた。「Oracle Award 2006」では、最も大きな案件を受注した営業担当者に贈られる「セールス・オブ・ザ・イヤー」を受賞。「個人賞だが、チームワークで取れた賞だと感謝している」と五味は言う。

 対象となった商談は、ある金融機関のインフラ構築。Linuxを搭載したメインフレーム上でOracleのデータベースを稼働させるもので、日本では初の試み。8プロセッサでスタートし、最終的には212プロセッサの安定稼働までこぎ着けた。「私の出番は最初だけ。SEが年末年始を返上して頑張ったから、大型案件になった」と振り返る。

 今でこそチームワークの大切さを訴える五味だが、営業としてノリにノッていた20代後半まではそれに気付かなかった、と話す。「顧客のために一生懸命で、構築を受け持つSEの気持ちを考えたことはなかった」。そんな五味を変えたのは、あるベテランプロジェクト・マネジャーの忠告だ。「一生懸命なのは分かるが、SEも生身の人間。『やって当たり前』という態度では、SEのやる気を削いでしまう」。この言葉で、五味は天狗になりかけていた自分を反省した。以来、「顧客はもとより開発メンバー、営業アシスタントを含めた裏方、競合相手など、周囲の人たちすべてをリスペクトすることを心掛けている」。

 周囲を尊重する気持ちに加え、五味をトップ営業に押し上げた秘訣は、その営業スタイルにもありそうだ。五味が鞄に携えるノートには、顧客から聞き出した課題などが、文字ではなく図式化して整理してある。「その場で描くことが重要です。問題を共に受け止め、考えているという姿勢も伝わる」と語る。描いた図のコピーを顧客に送付することも。「この図が提案資料の代わりになることも多い。だから常に持ち歩く。意外にアナログが受けるんですよ」。

=文中敬称略


五味 隆(ごみ たかし)氏
新日鉄ソリューションズ
営業企画部 シニア・マネジャー
1991年、新日本製鐵に入社。92年10月に新日鉄情報通信システム(現新日鉄ソリューションズ)に出向後、Oracle製品を使ったソリューション営業に携わる。99年から2年ほどeコマース事業を担当した後、Oracleの営業に戻り、2001年にITインフラソリューション事業部営業第二部、グループリーダーに就任。2006年4月より現職。