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飲料業界のヒットメーカーである佐藤章・営業本部マーケティング部長
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 キリンビバレッジで商品開発を指揮するヒットメーカーの佐藤章・営業本部マーケティング部長は、飲料業界ではその名を知られた人物だ。そんな佐藤氏でも飲料の商品開発は「毎年2勝100敗といった感じ。1年間でヒット1つか2つの商品を生み出せれば、よくやれたほうだと思う」と明かす。

 それほど飲料業界は商品の改廃ペースが早く、生き残りが難しい。発売からわずか数週間で新商品が店頭から姿を消すことも珍しくない。飲料業界では「千三つ(せんみつ)」という言い回しがあるが、1000種類の新商品を出しても3つしか生き残らないことを意味する言葉だ。

 こうした厳しい市場環境に身を置く佐藤氏はキリンビバレッジの経営陣に対し、「(商品開発の)失敗は当たり前だと思ってください」と内々に伝え、部下の失敗を容認してもらえるように経営陣に訴えている。だが佐藤氏自身は「いつクビになるとも分からない覚悟で毎日仕事をしている」と、本音を打ち明ける。

 過去には、缶コーヒー「ファイア」や緑茶「生茶」、アミノ酸飲料「アミノサプリ」といった、キリンビバレッジの主力ブランドに育った商品を次々と世に送り出してきた佐藤氏だからこそ、飲料業界の厳しさも身を持って体感し、覚悟を決めて商品開発に取り組んでいるというわけだ。

 そんな佐藤氏が2006年に成功させた一大プロジェクトは、1986年の誕生から今年で20周年を迎えた紅茶飲料「午後の紅茶」のリニューアルである。「低カロリー」「無着色」「低脂肪」といった午後の紅茶の知られざるヘルシーさを直接的に訴えたパッケージの変更や広告宣伝がズバリ当たり、午後の紅茶の出荷は2006年2月のリニューアル直後から前年同月比が100%を超え続け、平均で前年比約20%増という大幅な販売の伸びを見せた。

 佐藤部長は「20年続く食品ブランドの販売が前年比で20%も伸びたのは過去に例がないのでは」と満足げだ。

「午後の紅茶」のリニューアル・プロジェクトについては、日経情報ストラテジー2007年1月号で詳しく紹介しています。