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 筆者は先日,米国Las Vegasで開催された「Exchange Connection」で,読者からいくつかExchange Server 2007とOutlook 2007に関する質問を頂いた。米Microsoftは2006年12月に,Exchange Server 2007をリリースする予定だ。この最新製品に関して現場のシステム管理者が疑問に思っていることを,明らかにしていこう。

 Q:Exchange Server 2007の「仕分けルール」の容量は,デフォルトで32Kバイトになっている。これを増やすにはどうすればいいのだろうか?

 A:Exchange Server 2007は,新しいコマンド・ライン環境である「Windows PowerShell」の「cmdlet」(コマンドレット)によって設定可能である。「Set-Mailbox」というcmdletには「RulesQuota」というパラメータがあり,これによって仕分けルールの容量を変更できる。なお,Set-Mailboxというcmdletには,メールボックスに関する何十もの設定を変更できるパラメータが用意されている。仕訳ルールの容量を256Kバイトまで増やすときの構文を紹介しよう。「set-mailbox -identity MyMailbox -RulesQuota 256KB」である。

 Q:Exchange Server 2007では,繰り返し発生する予定について管理者を変更できるだろうか?

 A:繰り返し発生する予定が,その予定を作成した人物が組織を去った後でも継続するというのは,よくある問題だ。残念なことに,繰り返し発生する予定の管理者を変更することは,Exchange Server 2007とOutlook 2007の組み合わせでは実行できない。

 Q:Outlook 2007ではメールボックス・フォルダの共有が非常に簡単になったというが,データ衝突の解決法に変更はあるのだろうか?

 A:Exchange Serverを利用するユーザーは,従来から1つのメールボックスを複数ユーザーで共有できた。Outlook 2007では,メールボックス・フォルダの共有が,さらに簡単になる。ナビゲーション・ウインドウ(Outlookウインドウの左側にある列のこと)をクリックして[共有]を選択し,共有したいユーザーを[宛先]ボックスで指定するだけなのだから,メールを送信するのと同じぐらい簡単である。

 目に見えない部分での違いもある。メール以外のフォルダの場合,Outlook 2007はデフォルトで共有フォルダのキャッシュをオフライン・フォルダの.ostファイルにローカルで保存する。これは過去のバージョンからの大きな変更点である。

 以前のバージョンだと,共有フォルダへのアクセス権を持つユーザーは,必ずExchangeサーバー上にあるそれらの共有フォルダに直接接続するようになっており,ローカルのキャッシュは全く使っていなかった。しかしOutlook 2007のメールボックス所有者と共有アクセス権を持つユーザーは,共有フォルダに関してキャッシュ・データを使って作業する可能性が高くなる。よって,あるフォルダに対する書き込みアクセス権を持っているユーザーが複数存在すると,データの衝突が発生しやすくなるだろう。筆者がこれまでテストした限りでは,Outlook 2007は誰の変更を「優先採用」するかについて,何らかのルールに基づいて判断しているようだ。そして判断を下せないときは,「Sync Issues\Conflicts」フォルダに衝突を示すメッセージを残している。

 Q:ユーザーAがユーザーBのメールボックス・フォルダへのアクセス権を持っていて,ユーザーBのメールボックスが削除された場合,ユーザーAのオフライン・フォルダの.ostファイルにあるユーザーBのフォルダのキャッシュ・コピーはどうなるのか?

 A:共有しているメールボックスが削除された後でも,そのキャッシュ・データを既に持っていたユーザーは,キャッシュ・データが見える状態になっている。また予定表以外のフォルダならば,ユーザーは既存アイテムを開くことも可能だ。さらに,書き込み許可が与えられているユーザーなら,新しいアイテムを作成することすら可能である。予定表フォルダの場合,予定を開こうとするとエラー・メッセージが表示される。。書き込み許可を持つユーザーが新しいアイテムを作成しようとした場合も,同様のメッセージが表示される。

 Q:共有メールボックス・フォルダのキャッシュ機能を無効にする方法はあるのか?

 A:グループ・ポリシー・オブジェクト(GPO)を使って無効にできる。Microsoftは「Outlk12.adm」という名前の管理用テンプレート(Office 2007用管理テンプレートのダウンロード・サイト)を配布しているので,これを使うのがよい。

  グループ・ポリシー・オブジェクト・エディタ(マイクロソフト管理コンソール(MMC)に対するスナップインとして追加できる)で,[ユーザーの構成]-[管理用テンプレート]を開いて,[管理用テンプレート]を右クリックして[テンプレートの追加と削除]を選択し,「Outlk12.adm」を読み込む。すると,[ユーザーの構成]-[管理用テンプレート]-[Microsoft Office Outlook 2007]のツリーが現れる。ここで[ツール/アカウント設定]-[Exchangeキャッシュモード]というツリーにある「メール以外の共有フォルダをダウンロードする」というポリシーを「無効」に設定すると,キャッシュを無効にできる。