PR
将来的にAdobe Photoshop Lightroomとして正式版の発売を予定しているAdobe Lightroom BETA 4。CSファミリーへの組み込み予定はなく,単独製品としての取り扱いとなる見通し
将来的にAdobe Photoshop Lightroomとして正式版の発売を予定しているAdobe Lightroom BETA 4。CSファミリーへの組み込み予定はなく,単独製品としての取り扱いとなる見通し
[画像のクリックで拡大表示]
「Photoshop world BIG DEBAT conference & expo 2006」
「Photoshop world BIG DEBAT conference & expo 2006」
[画像のクリックで拡大表示]
 アドビシステムズは2006年11月28日と29日の2日間,東京流通センターで「Photoshop world BIG DEBAT conference & expo 2006」を開催した。展示会場では印刷業界から映像機器業界,デジタル・イメージング業界などから多様な企業が機器やソフトのデモンストレーションを行った。

 会場はデモンストレーションのステージをWeb,動画と映像関連,写真などのグラフィックの3カテゴリに分けた。それぞれのステージではカテゴリに合ったテーマに基づき講演者がディベート方式で日頃の業務から得た知識やツールの活用方法などを披露した。昨年はデジタルイメージングに話題を絞った内容となっていたせいか,同イベントからはややこぢんまりとした印象を受けていた。今回はテーマを増やしたことで会場全体に活気が感じられた。

 Web関連のセッション終了後,撮影スタジオを再現したLIVE撮影スタジオブースにそのまま足を運ぶ参加者も多く見られ,参加者それぞれが積極的に知識の幅を広げようとする姿勢が伝わってきた。gravity graphicsの写真家,平山ジロウ氏がモデルを被写体とした撮影テクニックに加えて,PC側にデータを移すタイミングから,移動したデータのバックアップを瞬時に確保する流れまでをていねいに解説する姿に,参加者の多くはメモを取りながら興味深く見入っていた。できあがった素材を編集,加工するポスプロの現場ではなかなかお目にかかれないヘアメイクやスタイリストの作業までを壇上で再現していたその展示は,写真家の日常を切り取ったようなリアルさだ。

新Photoshopファミリー披露

 アドビシステムズのブースでは近日Photoshopファミリーとして新たに製品ラインに加わる予定の「Adobe Lightroom BETA 4(以下Lightroom)」のデモンストレーションに関心が集まった。Lightroomは2006年9月25日に現在のバージョンがAdobe labサイトで公開され,利用者数は初期バージョンからのべ32万人を超える。製品版の「Adobe Photoshop Lightroom」としての発売は米国内で2007年上旬の予定だ。

 120機種以上のカメラのRAWフォーマットに対応する同ツールは,現像時の詳細な補正メニューを搭載し,Adobe RGBよりも広い表色範囲を持つProPhoto RGB色空間モードを備えている。コンタクトシートやサムネールの印刷機能も,写真家と共同作業する編集者からの好感を得ているという。

ユニバーサル・クライアント登場を示唆

 イベント期間中,来日したアドビシステムズ社クリエイティブソリューション事業部門担当上級副社長,ジョン・ロイアコノ氏に,イベント全体を覆うメディアミックスというメッセージを,今後どのように製品に反映していくのか,製品戦略の方向性を伺った。同氏は「Webデザインとビデオ映像の制作などを包括的に請け負う制作会社は少なくない。市場のニーズは今後メディアの掛け合わせに集まるだろう」と見通しを語ったうえで,統合的な制作のワークフローを支える機能を次期CS製品では強化していくとした。

 ロイアコノ氏は,製品の具体的な構成については明言を避けたものの,近い将来,統合メディアの配信を司る新しいクライアントソフトをその一環として提供する可能性を示唆した。「現時点ではPDFを見るならAdobe Reader,FlashならFlash Player,HTMLはブラウザのようにクライアントは分かれている。各メディアには異なる制作環境も必要だ。(デザイナは次期バージョンのCSで)アプリケーションの切り替えを意識することなく,リッチメディアを実現できるようになる。また,それを実行するユニバーサルクライアントの登場で,各企業はコンテンツのブランドを確実にコントロールできる」として,リッチメディアの新しい実現計画を垣間見せた。マイクロソフトがFlashに競合するWPFを公開した件については,「今最もシェアの高いメディアのクライアントはWindowsでもMacでもない。携帯電話だ」と指摘して両社ではビジネスの土俵が違うことを強調した。