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 このタイトルを見て,「年末の慌しい時期に,何を今さら・・・」などと思った読者がいたら申し訳ありません。実はこれ,今年も残りわずかになったという意味ではなく,上場企業による内部統制への取り組みがいよいよ“待ったなし”になった,という意味なのです。

 きっかけは,金融庁が11月21日に,内部統制の「実施基準(公開草案)」(以下,実施基準案)を同庁のサイトで公表したこと。実施基準案とは,金融商品取引法(いわゆる“日本版SOX法”としての性格を持つ法律で,今年6月に国会で成立)に基づいて,企業が内部統制を整備・評価したり監査人が内部統制監査を実施する際の実務的なガイドラインのことです。

 先行した米国ではガイドラインに曖昧な部分があったために,内部統制への取り組みに多大なコストと時間がかかる,という問題が顕在化しました。日本ではこうした米国の事情も踏まえて,より現実的な実施基準案が検討されてきました。11月21日に公開されたのは“草案”であり,一般からの意見(パブリックコメント)を反映して内容を確定した「実施基準」の公表は1月以降と見られています。しかし,その内容や要求水準は,公開草案の段階でほぼ固まりました。だからこそ,カウントダウンが始まった,というわけです。

 残された時間はあまりありません。金融商品取引法は2008年4月以降に始まる事業年度から適用されます。多くの上場企業では,経営者もIT部門もあと1年4カ月で,財務報告の適正性を確保する業務プロセスや,それを支える情報システム,そして,システムの開発・運用体制を整えなければなりません。

 内部統制に取り組んでいる企業が実施基準の動向を注視し,いよいよ活動を本格的にスタートさせようとしている,ということを筆者は確信しています。それには理由があります。筆者は,ITproを含む日経BP社の5媒体が共同で立ち上げた内部統制専門サイト「内部統制.jp」のサイト・マスターを務めているのですが,11月6日に金融庁が実施基準(公開草案)の内容をほぼ固めて文書を公表したことを速報(関連記事1関連記事2)した直後から,サイトへのアクセス数が急増。結局,この11月の月間アクセス数は過去最高だった10月の2倍近くに達しました。

 こうした読者の動きに対応し,内部統制.jpでは「実施基準(公開草案)の特集ページ」を設けるなどして,より多角的にニュースや解説記事などを提供していく予定です。カウントダウンの開始は,日経BP社の内部統制プロジェクトにとっても,気を引き締めて情報を発信していくための契機となりそうです。