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実力があれば会社の看板に頼らなくても高収入を目指せると一念発起し,大手ベンダーからベンチャーに転職しました。ところが今度のプロジェクトで,明らかに自分よりも実力のない元請けベンダーの社員がプロジェクト・マネジャー(PM)に採用され,希望を失っています。
(システム・インテグレータ勤務, プロジェクト・マネジャー/男性・35歳)

A: 自分を売り込め。顧客を啓蒙せよ!

 現状ではユーザー企業は,プロジェクトマネジメントと開発業務を一括して委託するのが一般的です。ユーザーに対して責任を持つ元請けベンダーは,万一の場合を考えてどうしても自社の社員をPMにしたいと考えます。問題が起きた時,ユーザー企業に「下請け任せにしていた」と言われれば,二度と仕事をもらえなくなってしまうからです。

 このため,あなたがPMになるのは政治的に困難と言わざるを得ません。

 ただし,あなたがPMになる道がないわけではありません。顧客の口から「マネジメントは君に任せたい」と言わせることです。

 そのためには,誰もが認める実力者として,あなた自身が“ブランド化”することです。そうなれば,ユーザー企業はあなたがPMになることを望み,プロジェクトマネジメントと開発作業を分離発注するはずです。分離発注とは,プロジェクトマネジメントはあなたに発注し,開発作業は元請けベンダーに発注するという形態です。ユーザーの要求ですから,元請けベンダーもすんなり受け入れるでしょう。

 実際,ベンダー各社の実力をよく理解している先進ユーザー企業は,プロジェクトの分離発注を積極的に進めています。コンサルティング会社の多くも,こうした発注方式を推奨しています。PM専門の会社もいくつかあります。

 要するに,ユーザーに深く食い込んで実力を認めてもらい,ユーザーの口から「マネジメントは,ぜひとも君に任せたい」と言わせることです。

 ユーザーに深く食い込み,自分を売り込む。それと同時に,プロジェクトマネジメントの分離発注を啓蒙する。険しい道ですが,この2つがあなたの悩みを解決するはずです。

奥井 規晶(おくい のりあき)
1959年神奈川県出身。84年に早稲田大学理工学部大学院修士課程修了。日本IBMでSEとして活躍後,ボストン コンサルティング グループに入社。戦略系コンサルタントとして事業/情報戦略,システム再構築,SCMなどのプロジェクトを多数経験。その後,アーサー・D・リトル(ジャパン)のディレクターおよび関連会社のシー・クエンシャル代表取締役を経て,2001年にベリングポイント(元KPMGコンサルティング)代表取締役に就任。2004年4月に独立。現在,インターフュージョンコンサルティング代表取締役会長。経済同友会会員,日本キューバ・シガー教育協会専務理事。