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 ネットワーク運用のアウトソーシング・サービス,つまり「マネージド・サービス」の人気が上昇している。マネージド・サービスの利点は分かりやすい。企業を多くの面倒な作業から解放し,時間とお金を節約し,システム管理作業の難易度も低下する。このマーケットは非常に活気に満ちており,企業の吸収合併が猛烈なペースで進行している。

 最近の一番の大きな動きは,通信分野の世界的な大企業である英BTグループによる米Counterpane Internet Securityの買収である。Counterpaneはマネージド・ネットワーク・セキュリティ・サービスのプロバイダであり,約550の企業にサービスを提供しているが,この買収によってBT Global Servicesの一部,つまりBTグループの一部門となった(訳注:なお同社の創業者兼CTO(最高技術責任者)は,ITproに掲載している「CRYPTO-GRAM」の著者であるBruce Schneier氏である)。

 ほかにも2006年9月末には,米SecureWorksと米LURHQが合併し,SecureWorksが存続会社となった。新生SecureWorksは,推定で1500社にマネージド・セキュリティ・サービスを提供する。8月末には,米IBMが米Internet Security Systems(ISS)を13億ドルで買収した。ISSはソフトウエア・ベースとハードウエア・ベースのセキュリティ・ソリューション・ベンダーであるが,マネージド・セキュリティ・サービスも提供している。

 大手マネージド・サービス・プロバイダである米Perimeter Internetworkingは,ここ何年かの間にANE Technologies,Red Cliff Solutions,Internet Threat Management,IRW Services,US Networks,Guarded Networks,Breakwater Security Associatesという7社を買収している。Perimeterが他社による買収を望んでいるのであれば,最近の買収によってその可能性は大きくなったと言えるだろう。今年の初めには,米SurfControlが米BlackSpiderを買収し,同社は10月末にWebと電子メール保護に関する2つの新しいマネージド・セキュリティ・サービスを発表した。

 業界アナリストは,マネージド・サービス分野全体に対する関心が増大していると分析しており,企業の吸収合併もその流れに沿った現象である。2006年2月には米Insight Researchの広報担当がこのように述べている。「アメリカのマネージド・サービス・マーケットは,マネージド・サービス・バリューチェーンのあらゆるセグメントの成長を背景に,今後5年間で毎年22%ずつ成長するだろう。」。また市場規模は,2006年の340億ドルから2011年には940億ドルに成長するだろうと述べている。

 Insight Researchの社長であるRobert Rosenberg氏は「マネージド・サービス。プロバイダは,ネットワーク・パフォーマンスの24時間体制での監視や,アプリケーション・パフォーマンスの向上といったサービスを,予測できるサービス・レベルで提供できているので,このマーケットの成長を目指して事業を拡張できるポジションにいる」と述べている。

 米Cisco Systemsに調査を委託された調査会社の米Ovumは,世界のマネージド・サービス市場が2009年までに年間415億ドルまで拡大すると予測している。調査結果には,2009年までに,マネージドVPNがマネージド・サービス市場の53%を占めるようになり,マネージドVoIPが平均した年率で65%の成長を遂げるとある。この調査はまた,マネージド・サービスの成長が著しいのはヨーロッパと中東,アフリカで,それに続くのが北米だと分析している。

 Ovumの調査担当重役であるPeter Hall氏は「企業ユーザーはコスト削減と信頼性向上のために,ネットワーク構築や運用をサービス・プロバイダにより依頼するようになるだろう。マネージド・サービスを開発し提供するサービス・プロバイダには,特にマルチ・サービスIP VPN,IP通信,セキュリティ,メトロ・イーサネットの分野で,大きなビジネス・チャンスがある」と述べている。