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 世界一のコンピュータ・メーカーの座を競う米ヒューレット・パッカード(HP)と米IBM。両社が顧客に向けて発信するメッセージには、いくつか共通するキーワードがある。その一つが「変革(Transformation)」だ。

 HPは変化対応力を備えた理想の企業像「Adaptive Enterprise(AE)」を掲げ、顧客がAEへ変革していくのを支援する(関連記事:「HPのゴールは世界最高のテクノロジ・プロバイダ」)。一方のIBMも、「BTO(ビジネス・トランスフォーメーション・サービス)」などの名称で、顧客企業自体に変革をもたらす目的で、サービス提供や製品開発に臨んでいる。

 同じ目的を持つ両社だが、目的達成に向けたアプローチは大きく異なる。HPの考えは、「IBMはビジネス・プロセスのコンサルティングからスタートするのが基本。これに対してHPは技術に立脚した企業であり、技術をもって顧客企業のITインフラを変革することにまず着目する」というものだ。

 現在のビジネスの変化は、予測するのが非常に難しい。それならばビジネス・プロセスに合わせてITインフラを作るよりも、まず堅牢で拡張性に富んだITインフラを構築する方が、ビジネスの変化へ俊敏に対応できるはずだ。これがHPの考えである。

 HPはハードやソフトといった製品を開発・販売する上で、ITインフラのマネジメントにフォーカスを絞っている。サービス事業でも方針は同様。事業領域はITインフラの運用管理に関する技術支援「テクノロジー・サービス(TS)」、ITインフラのコンサルティングと構築をてがける「コンサルティング&インテグレーション(CI)」、運用管理を受託する「マネージド・サービス(MS)」の三つである。

 売り上げ規模が最も大きいのがTSで、2005年度の売上高は96億ドル、全世界に2万9000人の技術者を抱える。次いで規模が大きいのがMS事業。05年は30億ドルの売上高を記録した。MSは5年前に参入した、同社にとって比較的新しいビジネスで、今後も成長が見込めるとみている。CI事業の売上げ規模は28億ドル。CIは、米マイクロソフトや米オラクル、米BEAシステムズといった主要パートナのソフトを組み合わせたテンプレートを基に、ITインフラの構築を支援するものだ。

 HPはITインフラのマネジメント・サービスを、AI実現に向けた重点強化分野の一つに位置付け、関連技術の開発に取り組んでいる。現在はデータセンターの遠隔診断や予兆診断、自動復旧といった技術の開発を進めている。運用担当人員の労力を可能な限り除外する技術は、ITインフラのマネジメントにおける重要な差異化点になるとみており、世界中のCIO(最高情報責任者)を手助けするため、今後もITインフラ変革に向けた技術開発を加速させる考えだ。