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 日本テレコムは2006年5月、プロジェクタやデジタルカメラなどの社内資産を効率的に管理するために、無線ICタグシステムを導入した。30種類、200個の資産のそれぞれに13.56MHz帯対応のパッシブ型ICタグを取り付け、資産の貸し出しや返却の手続きを効率化した。

 日本テレコムは2005年1月に東京都港区の汐留地区に本社を移したのを機に、固定席を設けず、いつでも空いている席で仕事ができる「フリーアドレス」を採用した。それまでプロジェクタなどの社内資産は、部署ごとなどで管理していたが、本社移転のあとは3000人の社員がいる本社全体で一元管理するようにした。しかし1カ月に約1000件ある貸し出しや返却の管理は台帳ベースで、煩雑な手作業に頼っていた。

 これを「“格好良く”解決する手段を探して行き着いたのが、ICタグだった。格好良いということは、使い勝手の高さにつながる」(日本テレコムコーポレートスタッフ統括総務部マネジャーの古戸悟氏)。

 ICタグはシール状のものをプラスチックカードに張り付け、そのカードに穴を空けてリングを通し、資産に取り付けた(写真1)。「当初は厚紙を使っていたが折れ曲がってしまうことなどがあり、プラスチックカードに切り替えた」(日本テレコムの古戸氏)という。金属製でないものなど、一部は資産自体にICタグを張り付けた場合もある。ICタグのICチップは、オランダのフィリップス・ロイヤル・エレクトロニクス製である。

写真1 貸し出し管理システム左奥のFeliCaリーダーで社員証を読み、右手前のリーダーで資産に付けたICタグを読んでいるところ。

 独自に開発した資産管理ソフトを総務部門の社員が使うパソコンで動作させ、資産に取り付けたICタグを読み取るリーダーと、非接触IC技術「FeliCa」に対応した社員証を読み取るためのリーダーを取り付けた。資産管理ソフトを操作して、社員証をかざし、続いてICタグをかざせば貸し出し処理が終了する。返却処理は、資産に付いたICタグを読ませるだけでよい。この資産管理システムを、3台のパソコンで稼働させている。なお当初は、ICタグ付き資産の盗難を防止するゲートリーダーの導入も検討したが、対象物を考えると必要性が低く、コストも高くなることから見送った。

 資産管理ソフトは、社内独自のポータルシステムと連携させており、社員は資産の貸し出し/空き状況をWebブラウザで確認できる。各資産を「いま誰が借りていて、いつ戻ってくるか」が直ちに分かる。貸し出し状況が誰にも分かるようになったため、返却を延滞する社員も少なくなったという。日本テレコムは自社への導入を通じて今回のICタグシステムのノウハウを積み、年内にも外販したい考えである。



本記事は日経RFIDテクノロジ2006年8月号の記事を基に再編集したものです。コメントを掲載している方の所属や肩書きは掲載当時のものです