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 米ヒューレット・パッカードが掲げる次世代のITインフラ「Adaptive Infrastructure(AI)」。そのアーキテクチャ設計を率いるのが、リン・ニース氏である。

 
  リン・ニース Adaptive Infrastructure担当アーキテクト
 AIのアーキテクチャ上の特徴は何か。ニース氏は、「『ポッド』と呼ぶ単位で、AIを構築していること」と答える。ポッドは、システムの種類や用途に応じて、サーバーやストレージ、ネットワーク、ミドルウエアの組み合わせを定めたテンプレートである。「機能や処理性能を検証済みの標準製品を組み合わせている。データセンター構築コストの抑制とサービス品質の両立が狙い」(ニース氏)。アプリケーションからは物理的な構成を意識せずに済むよう、ポッドを構成するハードウエア群を仮想化して利用可能にする。

 ニース氏は「検証済みの製品構成をビルディング・ブロック(構成要素)にすることで、ビジネスの変化に即応するITインフラを構築できる」(ニース氏)と話す。あるポッドの処理性能が不足したら、そのポッド用のハードを追加することで、ポッド内で(単位で)処理性能を増減させる。大規模なシステムを構築する場合は、複数のポッドを組み合わせる。

 HPでは現在、J2EEや.NETを使った業務システム、Webホスティング、Exchange Serverを使ったコラボレーションなど、標準的なシステム向けのポッドを定義済みである。例えばJ2EEシステム向けのポッドには、最上位サーバー「Integrity Superdome」に、米BEAシステムズのWebアプリケーション・サーバー「WebLogic Server」、HPの仮想化ミドルウエアやサーバー管理ツール、クラスタリング・ソフトを組み合わせる。

 HPは顧客向けに構築・提供するデータセンターでポッドを活用すると同時に、HP自身でもポッドを利用する。同社は現在、2008年の全面稼働を目指して「次世代データセンター(NGDC)」の構築を進めている。米国内の3地域6カ所にデータセンターを新設し、85カ所ある既存施設を集約。全世界に分散しているサーバーやストレージ、主要な業務アプリケーションを統廃合する。現在、1万9000台あるサーバーと4000種類のアプリケーションを、それぞれ6000台、1500種類にまで減らす計画だ。このNGDC内のITインフラを、ポッドに基づいて構築しようというわけだ。

 「ポッドはデータセンター設計の汎用的なパターンを定義したものであり、将来にわたるデータセンター設計のガイドライン。HP自身で利用して、ポッドの有用性を実証する」。ニース氏は、ポッドを自ら使う意義を、こう強調する。