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 この連載では,エンジニアの視点から使いやすさを考えています。今回はユーザー登録画面などに代表される,フォームを使った入力画面について考えてみたいと思います。

 なぜこのテーマを選んだかというと,フォームを介して利用者からデータを受け取って処理をして返すという一連の処理が,ウェブサイトのバックエンドの処理やデータ形式などによって変化しやすく,プログラマやエンジニアの作業がもっとも使いやすさと関係しやすい分野ではないかなあ,と思っているからです。こうした部分はエンジニアが使いやすさに寄与しやすい部分であり,もっと言えば,使いやすさを向上させるに当たって,エンジニアにしかできない事柄がたくさんある部分だってことになると思います。

 今回は「ユーザー登録ページ」を例に,フォームにおける使い勝手を考えていきたいと思っています。その理由としてまずは,筆者が勤務する株式会社はてなにもユーザー登録画面があり,その使い勝手については考える機会が多いことがあります。また,フォームを利用した入力画面の中でも,「ユーザー登録画面」というのは,かなり重要だと思っていることも理由の一つです。それは,登録を必要とするウェブサイトで,おそらく利用者が最初に使う入力フォームであり,そこで「使いにくいなあ」と感じさせてしまっては,そのサイトの印象は悪くなってしまうんじゃないかと思っているからです。

 ユーザー登録をすることで,サービスを提供するウェブサイトはたくさんあります。これはもちろん,アクセスしているのが誰か,ということを識別することで,様々なサービスを提供できるようになる,ということもあります。そして,それ以外の理由として,ウェブサイトは,アクセスが無ければ成り立たず,アクセスを増やすためにはユーザーを囲い込むことも重要だということがあります。ユーザー登録によってユーザーをサイトに定期的にアクセスするためのきっかけを作り,より何度もアクセスしてもらえるようにするわけです。

 さて理由はともかく,ユーザー登録をしてもらうにあたり,どうすればより抵抗無く,簡単に行ってもらえるかを考えてみることにします。ここでまず,自分がどこかの別のサイトにユーザー登録を行うことを考えて見ましょう。ウェブ業界でエンジニアをやっていると,インターネットに接続されたパソコンを1日のかなりの時間利用しますし,しかも職業柄なるべく様々なサイトについて情報を得る必要があるので,普段からいろいろなサイトを使うことになります。その結果,皆さんも結構な数のサイトでユーザー登録をしているんじゃないでしょうか。

 あるサイトにアクセスして何かをしようとしたとき,ユーザー登録をしなければならないとき,どう感じるでしょうか。筆者は結構面倒に感じますし,そう思っている人って多いんじゃないかな,と思います。じゃあ何で面倒なんだろうと考えてみると,いろいろと個人情報を入力しなければならないことへの抵抗感や,不要なメールが送られてくるんじゃないかという心配,そしてそもそもユーザー登録という行為そのものが結構手間がかかる,というようなことがあるんじゃないでしょうか。

 そもそもめんどくさいと感じる部分であるユーザーの登録画面ですから,もしそれが使いにくかったり,面倒な作業を必要としたりしたら,登録途中でいやになって,やめてしまうかもしれません。それは非常にもったいないことなわけで,それを防ぐべく,われわれエンジニアはいろいろ工夫をしなければならない,というわけです。

よいユーザー名はすぐには思いつかない

 前置きが長くなりましたが,それじゃあ実際にどういう点に気をつければいいんだろう,ということを考えて行くことにしましょう。