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日立製作所はNGNに向けて,キャリア,企業だけでなく,コンシューマやコミュニティでもビジネス・チャンスが広がるという。新しいネットワークで,どのようにビジネスを展開していくのだろうか。日立製作所 情報・通信グループのCOOである竹村哲夫氏に,同社のNGNへの取り組みを聞いた。

NGNは,具体的なイメージがなかなかつかみにくいです。

竹村 哲夫氏

 NGNをとらえにくいのは,どういう立場に立つかによって,いろいろな見方があり,それに応じていろいろなビジネス・チャンスへの期待があるからだと思います。キャリアは交換機のリプレース時期を迎え,次をどうしようかと考えています。

 こうしたキャリアに対してベンダーはNGN構築の機器導入の機会をうかがっています。また,企業にはネットワークの問題をNGNを用いて解決しようとする動きもあります。一方,個人のコミュニティではインターネット・プラス・アルファをNGNに求めようとしています。



ライフ・コミュニティも変わる

日立製作所としては,NGNでのビジネス・チャンスをどのようにとらえていますか。

 当社ではNGNを三つの領域で考えています。一つ目はキャリア,二つ目は企業,そして三つ目はライフ・コミュニティです。まず,交換機を提供してきたベンダーとしては,光などの先端技術を活用したNGN構築のための製品,ソリューションをキャリアへ提供していきます。

 企業については,二つの側面があります。まず,NGNによってこれまで課題となっていた点を克服する新しい企業ネットワークを構築できるようになります。例えば,これまでのIP網やインターネットでは認証手続きやQoS管理,VPNなどを実現するには企業が自前でシステムを構築しなくてはなりませんでしたが,NGNではこれらの機能は網が提供してくれます。導入の敷居がぐっと下がって幅広い企業が使えるようになり,企業は自社のコア・ビジネスに集中できるようになります。

 もう一つの側面は,ネットワークを用いた新しいビジネスが生まれてくることです。日立製作所はこれを支えるシステム基盤を提供します。新ビジネスの一つの例としては次世代オンライン・ゲームがあります。パケット遅延とロスを抑え,快適なゲーム空間を作り出したり,セキュリティ機能により安全・安心なゲームができるようになります。

三番目の領域のライフ・コミュニティはどうでしょう。

 ライフ・コミュニティでは,これまで日立が得意としてきた公共システムなどのノウハウを生かした,社会システムを提供します。NGNを基盤として,データ・センターやセンサー・ネットワーク,RFID,ITSなどと組み合わせて,放送と通信の融合・連携や情報家電,電子政府,交通システムなどを提供していきます。この分野は「日立らしい」と言えるでしょう。

 例えば,放送と通信の融合・連携では当社は薄型テレビ「Wooo」から,ストレージ,ハイエンドのルーターとスイッチ,光アクセス製品,無線アクセス製品,サーバーと幅広い製品を提供しています。中でもストレージでは世界トップクラスの技術を持っています。これらを組み合わせれば,ネットTV向けの映像配信サーバー・システムを構築できます。

NGN構築における日立製作所の強みはどこにありますか。

竹村 哲夫氏

 一つはコンピュータと交換機,それぞれのプロフェッショナルによる混成チームが,システム・インテグレーション(SI)を実施している点です。止まることが許されない交換機で培ってきたノウハウを生かして,24時間止められないミッション・クリティカルなコンピュータ・システムを構築しています。例えば,システムを止めずにソフトウエアをバージョンアップするのは非常に高度な技術が要求されますが,それを実現できるのです。

ハードウエア面での日立製作所の強みはいかがでしょうか。

 自社開発デバイス,組み込み技術で日立の強みを生かした特定の製品に注力し,日本だけでなく,世界に供給していきたいと考えています。具体的には,光アクセス製品,GPON,無線アクセス製品 CDMA2000 1xEV-DOなどです。また,ルーターの消費電力当たりの性能は世界トップクラスでしょう。

消費電力ですか。

 はい。科学技術動向研究センターの予測ですと,国内の総発電量に占めるルーターの消費電力の割合は2015年には9.0%になるというのです。その背景にはインターネットのトラフィックが年率40%で増えているということがあります。ネットワーク製品のベンダーとして,省電力化に努める必要があります。

 ルーターでは,内部のASIC(特定用途向け集積回路)の消費電力を抑えることがポイントになります。チップ技術とアーキテクチャの両面から省電力化に取り込み,当社従来比50%削減の見通しを得ています。

 省電力のため,仮想化技術にも注目しています。システム処理量が少ないときは,一部のCPUに処理を集めて空いたCPUは止め,システム全体の消費電力を抑えます。

SIとハードウエアの間のプラットフォームはどうなっていますか。

 サービス・プラットフォームとして各種のミドルウエアを提供しています。例えば,高性能映像配信サーバー・システム「Videonet.tv/Lite」を2006年10月に「CEATEC JAPAN 2006」の開催に合わせて発表しました。これは6Mビット/秒相当のハイビジョン映像を同時に250本配信できるというものです。全体でこれまでの5倍の1.5Gビット/秒のストリームを送出できます。

最後に,今後の展開はどのようになっていますか。

 コンピュータと通信機器,情報家電を連携し,キャリア,企業,ライフ・コミュニティの幅広い領域で貢献していきます。