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加入者からの回線を終端し,コア・ネットワークに乗せるためのエッジ・ルーター。ユーザーからの動画やIP電話などをトラフィックに応じて適切に制御しなくてはならないNGNでは,その役割はますます高まる。日本法人を通じて日本でのエッジ機器販売に攻勢をかける米レッドバックネットワークスのアジア太平洋地域担当のサイモン・ウィリアムズ副社長に,NGNに向けた同社の戦略を聞いた。

レッドバックネットワークスはどのような会社ですか。

サイモン・ウィリアムズ氏

 1996年に会社が設立されてから10年間,エッジにフォーカスしてきたネットワーク機器メーカーです。ネットワークの端であるエッジに的を絞って技術開発投資を進め,技術者を集めてきました。

 エッジ・ルーターを開発する資金と時間をこれだけ持っている企業はほかにいないでしょう。これによって他のネットワーク機器メーカーと差別化を図ることができました。

そのエッジ・ルーターは,NGNにおいてどのような位置付けになるのでしょうか。

 NGNでは,QoS(サービス品質)管理や帯域制御が非常に重要です。ユーザーからのさまざまなトラフィックを網に送り込む入口となるエッジ・ルーターが,トラフィックに応じて適切に制御することが決め手となります。網中のコア・ルーターはそれに応じて高速に転送します。

NGNの肝となる帯域を制御

エンドユーザーからは直接見えませんが,どのような役割を果たすのでしょうか。

 NGNでは「アプリケーション・モビリティ」がキーワードになるでしょう。これは,場所によらずアプリケーションをシームレスに使うことを意味します。例えば,外出先で携帯情報端末で見ていたテレビ番組の続きを,家に帰ってきてからもハイビジョンの大画面で見るといった使い方です。こうしたアプリケーション・モビリティを実現するには,エッジ・ルーターによる制御が重要となってきます。

 ビデオを見るにしてもインターネットだとベストエフォートですので,ネットワークの混雑状況によっては画質が劣化してしまいます。NGNであれば,エンド・ツー・エンドで帯域を制御しているので,ネットワークが混雑してきてもビデオを優先して通せます。このため安定した画質で配信できるのです。エンド・ツー・エンドの帯域保証でも,ユーザーと網をつなぐエッジ・ルーターがカギを握っています。このようにエッジ・ルーターは,エンドユーザーには見えないところで重要な役割を果たすのです。

具体的にはどのような製品を出しているのですか。

 最初の製品は「SMS(Subscriber Management System)」と呼ぶ,DSL(digital subscriber line)の加入者線を終端する装置です。アジアや北米,欧州などで採用されています。日本ではイー・アクセスが導入しています。この実績によって,通信事業者からも高い評価を得られました。

 続いて,2001年に「SmartEdge」と呼ぶエッジ・ルーターを開発しました。そのために必要なトップクラスのソフトウエア技術者とASIC(特定用途向けICチップ)技術者をスカウトして開発を進めました。

高い可用性と信頼性を実現

SmartEdgeにはどのような特徴がありますか。

 ソフトウエア・アーキテクチャ,ASIC,全体のアーキテクチャと三つの大きな特徴があります。

 まず,ソフトウエアのアーキテクチャはモジュール化しています。これによって機能追加の容易性と,何万アクセスをも同時に処理できる拡張性,通信事業者向けの高可用性を実現しました。さらにソフトウエアは,サービス提供中であってもアップデートできます。しかも,パケットを一切落とさないでできるのです。

 ハードウエアの中核となるプロセッサは,汎用品を使わずに自ら設計したASICを用いています。このASICをPPA(Packet Proccessor ASIC)と呼んでいます。PPAの最大の目的は,ワイヤー・スピードを出すことです。さらに機能を追加できるように,PPA内部のソフトウエアは書き換え可能です。これもパケット・ロスなしで書き換えられます。

全体のアーキテクチャはどうなっているのでしょう。

サイモン・ウィリアムズ氏

 SmartEdgeのもう一つの特徴は,スター型のアーキテクチャです。PPAを搭載したカードはシャシー内でそれぞれスター型に接続します。よくあるような,バスを共用するアーキテクチャではありません。スター型を採ったことで,カードの増設により全体の帯域を増やせます。

実際にNGNで使われ始めているのでしょうか。

 SmartEdgeは,英国のBTが進めるNGN「BTの21世紀ネットワーク」のマルチサービス・エッジ・ルーターとして採用されました。ご存じのようにBTは,2010年までに電話網をすべてNGNに切り替えようとしています。韓国でもKTが導入を決めています。韓国では政府が「Broadband convergence Network(BcN)」と呼ぶ構想を掲げています。この中身はNGNと同じものです。

日本市場に向けては,どのように取り組んでいくのですか。

 当社の日本市場におけるポテンシャルは大きいと考えています。既存の大手通信事業者とは秘密保持契約があり詳しくは話せませんが,NGNに向けたビジョンは一致しています。彼らは尊敬に値する高い技術力を持っています。

 一方で,彼らと競合する新興の通信事業者も新しい技術を取り入れることに積極的です。短時間に全国展開を図る可能性を持っています。日本法人を通じて,これらの事業者のビジネスに食い込んでいきたいです。そうすれば短時間で,日本は当社にとって主要なマーケットに成長するでしょう。