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日本IBM 大歳卓麻 社長

2007年(1月~12月)の情報化投資の動向をどうみるか。2006年と比べた伸び率「%」と、その理由をお答えください。

 市場の具体的な見通しについての回答は差し控える。日本経済は緩やかな回復基調が継続していくと考えているが、どの業界でも企業変革やイノベーションを実践できているかどうかで業績の差が広がってきている。また、新規法案への対応など既存システムの保守も必要で、新規開発とメンテナンスとのコスト配分の最適化も求められている。

 このようにお客様の要望はますます多様化してきており、経営のイノベーションを支援するビジネス・バリューの提供や企業変革に柔軟に対応できるハードウエア、ソフトウエアを組み合わせたITインフラに関する要望はますます高まっていくと考えている。

2007年に注目する技術とその理由をお答えください。

 まず、「SOA(サービス指向アーキテクチャ)」は企業変革に迅速かつ柔軟に対応できるシステムの基盤を構築する手法として、ますます重要な要素となってきている。SOAが浸透するにしたがい、開発に伴う成果物を効率よく包括的に管理する「リポジトリ」の構築も重要になってくると考えている。ハードウエアでは、「Cell Broadband Engine」や「POWER6」などのプロセサのテクノロジと、その能力を最大限に引き出すための熱処理技術の開発に積極的に取り組んでいく。

 また当社ではここ数年、大和研究所を日本のイノベーションの拠点として位置付け、ディープ・コンピューティングやデジタル・コンシューマ・エレクトロニクス、オートノミック・コンピューティングなど、最先端の成長分野での研究を強化してきた。特に、日本のお客様が世界で最も高い競争力を持っている電機業界と自動車業界向けに、それぞれイノベーション・センターを設立。お客様が持つ市場での経験とIBMの専門知識を融合し、イノベーションを生み出すための新たなコラボレーションが始まっている。

2007年を、御社のコンピュータ事業にとって、どんな年と位置付けていますか。

 当社は、お客様にイノベーションによって成功していただくための最も信頼されるパートナーとなることを目指し、コンサルティングやBTO(ビジネス・トランスフォーメーション・アウトソーシング)をはじめとする「ビジネスの変革」(ビジネス・バリュー)、お客様のビジネスを支える「IT基盤の変革」(インフラ・バリュー)、お客様の製品に組み込む最先端の技術を提供する「構成要素の変革(コンポーネント・バリュー)」を提供してきている。

 2007年は、全世界のIBMがそれぞれの国の特徴を活用し合う「グローバルなバリュー」をお客様に提供していく。

2007年に特に強化する事業は何ですか。

 ハードウエア事業では、ビジネス・パートナー各社との連携をより強化し、エントリー・クラスやブレード・サーバーのビジネスを推進していく。また、ISV各社との協業を拡充し、お客様の要望に幅広く対応できるようにすることに加え、Linuxや仮想化技術を活用したサーバー統合(ITインフラ最適化)をさらに推進していく。

 ソフトウエア事業は、WebSphere、DB2、Lotus、Tivoli、Rationalの五つのミドルウエア製品群の特徴を生かしたビジネスを展開していく。お客様の関心が高いSOAでのシステム構築は、WebSphereを中心とした製品とサービスを組み合わせて提供していく。また、買収したMROソフトウェアの製品をTivoliブランドに組み入れ、日本版SOX法への対応で注目されているITIL(ITインフラストラクチャ・ライブラリ)で競合他社との差別化を図っていく。

 サービス事業は、お客様の業務変革そのものをアウトソーシングで引き受けるBTOをさらに推進していく。アウトソーシングでは、高品質なサービスを提供できる共用データセンターを積極的にお客様に提案していく。また、ITインフラに関する支援では、「ITセキュリティ」や「SOA」をはじめとした特化型のソリューションを拡充し、お客様の要望に応えられるようにしていく。

 さらに、IBMの強みでもあるグローバルなお客様支援(デリバリー)体制では、従来のシステム・インテグレーション、BTOのデリバリーに加え、中国の4拠点(大連、上海、深セン、成都)を活用し、主にコマンド・センターやシステム・メンテナンスのアウトソーシング・サービスを提供し、サービスをより拡充していく。

2006年のコンピュータ事業を振り返って、100点満点で自己採点してください。合格点は何点からか、合格点に満たない場合の不足分は何かについてもお答えください。

 採点は差し控える。従来のITインフラの提供やシステム構築などのサービスに加えて、当社が重点分野と位置付けているお客様の経営変革に直結するBTOや、組み込みソフト分野をはじめ研究開発部門の技術者による支援など、新しいサービスを展開し、成果を上げてきた。

 また、当社自身のイノベーションも推進し、グローバルなお客様の要望に応えられる体制を整えてきた。2007年からはサービス・ソリューション会社6社を統合した新会社も発足させ、これまで以上にサービスの品質を高め、世界で一番品質の高いサービスをお客様に提供していけるようにしていく。