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 NGNでは「SIP」が重要な役割を担う。SIPは「Session Initiation Protocol」の略で,HTTPに似たテキスト・ベースのプロトコル。既にIP電話やインスタント・メッセンジャーの呼制御などで使われている。

 NGNはアプリケーションや機器,網の制御にSIPを採用する。NGNの最大の特徴である帯域保証機能もSIPを使って実現する。アプリケーションや機器は必要とする帯域の数値をSIPメッセージ内に記述して,NGN網内のSIPサーバーへ送信(*)。SIPサーバーはその内容を読み取って実際の帯域保証を行う。


(*)具体的にはSIPのINVITEメッセージなどの中のSDP(Session Description Protocol)で必要な帯域を記述する。

 インターネットのWebアプリケーションではHTTPを扱えることが重要であるように,NGNのアプリケーションではSIPを扱えることが求められる。アプリケーションを動かすアプリケーション・サーバーでもSIP対応が必要になる。

 現在,Javaアプリケーション・サーバーはNGNの動きを見据えてSIP対応を進めている。これは「Javaのアプリケーションで直接SIPを扱いたいというニーズが増えてくるだろう」(NECでJavaアプリケーション・サーバー「WebOTX」を担当する渋谷純一・第二システムソフトウェア事業部統括マネージャー)との予想があるからだ。WebOTXは2007年に出荷するバージョンでSIPに対応するという。

 SIP対応のJavaアプリケーション・サーバーとは,「SIPコンテナ(SIPサーブレット)」を備えるものだ()。SIPコンテナはSIPメッセージの生成や解釈などを実現するAPI(Application Programming Interface)を提供する。SIPコンテナがあればNGNアプリケーションの開発が容易になると期待できる。

図●SIP対応のJavaアプリケーション・サーバー
Javaアプリケーション・サーバーがSIPコンテナを備えれば,NGNアプリケーションを開発しやすくなる

 もっとも,SIPコンテナ自体はJavaの仕様の一部になっているので,Javaアプリケーション・サーバーがSIPコンテナを備えるのは当然の流れ。よって,アプリケーション・サーバーがより注力すべき点は,“SIPの拡張機能”への対応だ。というのも,RFC 3261が定めた“素のSIP”は機能が貧弱なので,SIPでは拡張機能の利用が必須になるからだ。

 SIPの拡張機能には,SIPでプレゼンス情報を扱う「SIMPLE」(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extenstions)のようにIETF(Internet Engineering Task Force)が定める公式的な拡張と,通信機器ベンダーや通信事業者が独自に拡張した“方言”と呼べる拡張がある。今後,Javaアプリケーション・サーバーも「NECの独自拡張やNTTの独自拡張などへ順次対応してゆく」(渋谷統括マネージャー)と見られる。アプリケーション・サーバーがどの程度までSIPの拡張機能に対応するかが,NGNアプリケーション開発の効率を大きく左右することになるだろう。