PR

 ITエンジニアにとって,「顧客」はちょっと縁遠い言葉かもしれません。ITベンダーにお勤めの方は別として,ユーザー企業にお勤めの方であれば,なおさらでしょう。

 ユーザー企業のIT部門にとって,“顧客”は経営者や利用部門になります。ですが「確かにIT部門にとって経営者や利用部門は顧客に当たるが,正直そこまではっきりと意識してはいない」という思いの方は多いのではないでしょうか。

 それでも,「経営者や利用部門との密な対話こそが,いいシステムの基礎となる」ということには,少なくとも異論はないはずです。営業の基本は,顧客とのコンタクト時間を増やすこと。構造としては同じです。

 「経営に貢献する情報システムを提案するためには,経営者や利用部門と日頃から密に対話することが欠かせません。スケジュール表を見ながら,利用部門と対話する時間を昨年よりも増やしていただきたい。IT部門のリーダー級なら,業務時間の3分の1を対話に投じてもいいでしょう」。ガートナー ジャパンの山野井 聡氏は,2007年にIT部門がすべきこととして,こう提案しています(関連記事)。山野井氏の提言はITproの姉妹サイト「Enterprise Platform」でも連載中ですので,ぜひ一度目を通していただければ幸いです。

顧客対応への気持ちを楽にする

 ただ,ユーザー企業,ITベンダーといった所属に限らず,ITエンジニアの中には,「顧客対応」と聞いて尻込みしてしまう人は少なくないのではないでしょうか。

 漠然と「ご用聞き」,「奴隷同然の扱いをうける」などという気持ちを心の片隅に持っている方は,かなりいるはずです。特に,「お客様は神様です」というフレーズが各所で聞かれるこの日本では,そんな気持ちになるのは決しておかしいことではありません。技術志向が強い人にとってはなおさら,「顧客対応はできれば避けたいもの」というのが正直な心境ではないでしょうか。

 ですが,必ずしも“営業”はそうしたニュアンスに満ちたものではないようです。「一生懸命しゃべる必要などない」。「相手に気に入られることが鉄則などと言われているがそれは大いなる誤解だ」。このように「顧客対応」への気持ちが少し楽になる一節が盛り込まれた書籍があります。経営コンサルタントである神田昌典氏が書いた「あなたの会社が90日で儲かる!」(フォレスト出版)です。初版が1999年で,かなり版を重ねているので,書名はご存じの方もいらっしゃるかと思います。

 セールス・パーソンや中小企業の経営者向けにダイレクト・マーケティングの考え方を説いた書籍なので,ITに関係する内容はほとんど書かれていません。また初版が1999年なので,セールス関係の業務に詳しい方であれば,すでに当たり前の内容が多いかと思われます。ただ,非常に分かりやすく書かれており,一般的なIT関係者が「なるほど」と感想を抱くであろう知識が詰まっています。短時間で読めますので,もし気が向かれたら,ご一読を。

 もちろん基本はITエンジニアとしての技術力を磨くことであるのは,私が申し上げるまでもありません。ITpro,そしてEnterprise Platformでは2007年も引き続き,皆様の活動を支援する記事を提供していく所存です。どうかよろしくお願いいたします。