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リーダーに昇進しました。それはうれしいのですが、私が率いるグループにはベテランが多く、部下の半数が私より年上です。中でも、50歳代の部下は私を子供扱いするんです。上司としてどう対処すべきでしょうか。
(外資系ベンダー、グループリーダー/男性・34歳)

A: エリートぶらず相手の警戒心を解け

 私が初めて課長職を経験したのも30歳代前半のころ。あなたと同じように,部下の半数は年上でした。その経験から言えば,そうしたベテランエンジニアにとってあなたは,「世間知らずだが,頭がよくて世渡りがうまいエリートの若造」なのです。

 日本企業は欧米と違って,たとえIT業界であっても年功序列の文化を持っています。いわゆる「村社会」というやつで,これは外資系企業であっても同様です。そんな組織文化の中で若いエリートが周囲とうまくやっていくには,「自分をどこまで落とせるか」がポイントになります。

 もし,あなたが「自分は若いけれども彼らより優秀なのだから,上司になっても当然だ」と考え,それが少しでも外面に出ていたら,まずうまくいきません(実は,私もこれで失敗しました)。

 逆に,「自分は若くて至らず,こんなバカなことばかりしてきましたが,たまたま縁あってこの立場になってしまいました。何とぞベテランの力をお貸しください」と言えたら成功です。自分の弱みをさらけ出して同情を買い,自分に対する警戒感をなくす。変なプライドは捨て去る。年上の部下とうまくやるには,これが大事なのです。

 こうした気持ちを伝えるには,オフィスのような堅苦しい場でなく,インフォーマルな場がよいでしょう。居酒屋で一杯飲みながら,あるいはタバコを吸う人ならば喫煙室もよいですね。互いに胸襟を開ける場所を選びましょう。

 私の知る限り,本当のエリートは決してエリートぶらないものです。本当のエリートとは,若くして出世しても,非常に礼儀正しい。長幼の序をわきまえながらも,仕事の時には目つきがガラっと変わる。そんな人です。

奥井 規晶(おくい のりあき)
1959年神奈川県出身。84年に早稲田大学理工学部大学院修士課程修了。日本IBMでSEとして活躍後,ボストン コンサルティング グループに入社。戦略系コンサルタントとして事業/情報戦略,システム再構築,SCMなどのプロジェクトを多数経験。その後,アーサー・D・リトル(ジャパン)のディレクターおよび関連会社のシー・クエンシャル代表取締役を経て,2001年にベリングポイント(元KPMGコンサルティング)代表取締役に就任。2004年4月に独立。現在,インターフュージョンコンサルティング代表取締役会長。経済同友会会員,日本キューバ・シガー教育協会専務理事。