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大きなプロジェクトのPMを任されていますが、協力会社のエンジニアにすっかりなめられています。クライアントの前であからさまに軽んじられ、恥をかくこともしばしば。彼らの方が私より技術力が高いので、何も言えません。
(大手インテグレータ、プロジェクト・マネジャー/男性・36歳)

A: プライドを捨てて力不足を素直に認めよ

 まず,自分に非があると自覚してください。あなたの非とは,技術的に劣っていることではありません。協力会社を使うのは本来,元請ベンダーに不足しているリソースを補完するためです。ですから,彼らの技術力が高いことは感謝すべきことです。

 あなたが自覚すべきなのはむしろ,管理者としての未熟さです。たとえ最新技術を知らなくても,進ちょく管理や人員配置といったプロジェクトの要所で的確な采配を振れるプロジェクト・マネジャー(PM)は,自ずと一目置かれます。協力会社のエンジニアがあなたを軽んじるのは,そうしたポイントの押さえ方がまだ甘いからでしょう。

 「皆,俺の言うことを聞いてくれない」とくさらずに,ぜひPMとしてのスキルを磨いてください。顧客企業が元請ベンダーに期待しているのは,高い技術力を持つ協力会社をまとめあげて,優れたシステムを計画通りに開発すること。つまり,マネジメント力です。それが,PMであるあなたの使命だということを,肝に銘じてください。

 マネジメント力を磨くとともに,もう1つ実践すべきことがあります。協力会社のエンジニアの感情を理解することです。彼らにとって,スキルのない若者が,元請社員というだけでPMになるのは,いい気分でないのは当然です。

 そんな彼らと良い人間関係を築くには,前の質問への回答と同様,自分を落とすこと。「スキルでは皆さんにとても及びませんが,PMという立場に立ってしまったので,ぜひとも協力してください」と,徹底的にへりくだってお願いすることです。変なプライドを捨てて,「自分を助けてください」と言えるかどうか。そこが鍵となります。

奥井 規晶(おくい のりあき)
1959年神奈川県出身。84年に早稲田大学理工学部大学院修士課程修了。日本IBMでSEとして活躍後,ボストン コンサルティング グループに入社。戦略系コンサルタントとして事業/情報戦略,システム再構築,SCMなどのプロジェクトを多数経験。その後,アーサー・D・リトル(ジャパン)のディレクターおよび関連会社のシー・クエンシャル代表取締役を経て,2001年にベリングポイント(元KPMGコンサルティング)代表取締役に就任。2004年4月に独立。現在,インターフュージョンコンサルティング代表取締役会長。経済同友会会員,日本キューバ・シガー教育協会専務理事。