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 東京証券取引所の次世代売買システム開発そのものを受注したのは富士通だが、プロジェクト全体をよく見るとNTTデータが重要な役を演じていることが分かる。システム関連のトラブルの後、CIO(最高情報責任者)を送り込んだほか、RFP(提案依頼書)の作成にも深く関与した。大手ベンダーからの提案内容について、技術面の審査を支援したのもNTTデータだった。NTTデータは次期売買システムの入札に応募もせず、黒子に徹したのである。

 NTTデータと東証の次世代システムのつながりは、主に三つある。一つ目は運用業務の問題分析だ。次世代システムの開発が始まる前の2005年11月、ロードモジュールの登録ミスをきっかけに売買システムが全面停止したのを機に、NTTデータは東証の依頼を受け、運用業務に関する問題点の洗い出しを始めた。その結果、承認プロセスの不備や手順ミスなど数百項目の問題を発見。東証はこれらを踏まえ、2007年3月までに、システム運用のベストプラクティスである「ITIL」に基づいた運用標準を固める。この標準は、次世代システムの運用手順を確立する際の基盤となる。

コンサルタント5人が技術審査担当

 二つ目は、次世代システムの国際入札に参加したベンダーが東証に提出した提案書に関する技術評価の支援だ。東証は70前後の評価項目を設けベンダー各社の提案内容を100点満点で評価した。業務面の評価は東証が自前で採点したが、応答速度や信頼性などインフラ面の技術評価は、NTTデータのコンサルタント5人が支援した。

 東証が提案書の評価にかけた費用は総額で2000万円。NTTデータの取り分はこのうちの一部だけとみられる。だが、NTTデータは、鈴木義伯CIOを東証に送り込む際に「NTTグループを挙げてバックアップする」(浜口友一社長)と確約した通り、金融部門や技術部門のエース級コンサルタントを投入した。

プロジェクトマネジャもNTTデータ出身

 三つ目は、次世代システムにおける東証側のプロジェクトマネジャがNTTデータ出身であることだ。東証の宇治浩明 開発運用部マネージャーがその人物。宇治氏はNTTデータ時代に、全銀システムなど金融関連のシステムに携わった経験がある。

 これら三つに限らず、開発の進捗確認やITベンダーの納品物の品質チェックなど、NTTデータは東証のシステム部門を支える黒子として、次世代システムのプロジェクトを全般的に支えていく。