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 2006年を振り返ると,最も興味深かったのは電話サービスでした。「オーバーレイする電話サービス」という表現が適切かどうか分かりませんが,物理的な回線にひも付いたサービスと,回線を問わず使えるサービス(インターネット電話サービスと言っていいかも知れません)の二極化が進んでいると感じます。特に後者は来年,さらに進化して料金面でも無視できない存在になってくるのではないでしょうか。今年印象深かったサービスを二つ三つ挙げてみました。

 米JAJAH(ジャジャー)のWeb電話サービスは,ユーザー登録の際に自宅や携帯の電話番号を登録しておき,Web画面でかけたい相手の番号を入力すると自分(つまり会員)と相手にサービス側からコールバック。両者をつなぐものです。同様のサービスはほかにもありますが,ここで注目したいのは料金体系。一定条件を満たす会員同士の通話は無料となります。日本の場合,固定電話番号を登録しているユーザー同士が該当するようです。もちろん完全にタダということはなく,JAJAH側は無料にできる理由としてほかの通話サービスの収入でまかなう旨を説明しています。こうした料金設定の柔軟さを持ったサービスが台頭することで,「電話は無料」という時代は果たして到来するのでしょうか?

 定額データ通信サービスを使える携帯電話にソフトフォンを搭載して使うサービスも,目に付くようになりました。少し前だと,2005年秋にスマートフォンにソフトフォンを載せて,ボーダフォンの3Gデータ通信回線にVoIP(voice over IP)パケットを通そうとしたナムザック・ジャパンの「Arrowfone」がありました。最近ではPocketPC版Skype(スマートフォンで使える)やWindows Mobile用ソフトフォンを使えるサービスが挙げられます。まだ動作条件や動作状況は十分とはいえませんが,定額のモバイルデータ通信が高速化するほど,こうした動きは目立ってくると思います。

 要は回線にひも付かない電話サービスは,Webとの融合やモバイル対応を進めつつ,料金も格安を通り越し無料化の予兆が見え始めたと言えるのではないでしょうか。一方で,従来の回線とひも付けられた電話の優位点は,通話品質やセキュリティ。つまりNGN(次世代ネットワーク)に期待ということになります。様々な電話サービスが全く違う方向を向いて突っ走る--ここに面白さがあると感じています。

この記事は日経コミュニケーション読者限定サイト
日経コミュニケーション Exclusive」から転載したものです。