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顧客のキーパーソンが気難しい人で、そりが合わずに困っています。全く信用されておらず、私の提案はことごとく却下されます。こんな場合、どうすれば信頼関係を築けるのでしょうか。
(大手インテグレータ勤務、SE/男性・35歳)

A: 情報を集めて相手の懐に飛び込め

 質問にある顧客のようなタイプは,肩ひじ張って生きているエリート,あるいはエリートコースを外れた人に多いですね。このような相手に信頼してもらうには,自分がどれだけ優秀かを説明しても逆効果です。自分が突っ張れば,それだけ相手も突っ張ってくるからです。

 私は,気難しい顧客に出会うと,いつもある作戦を実行します。名付けて「フトコロ飛び込み作戦」です。どんな人でも,仕事から離れて熱く語れるテーマを持っているもの。そこを突けば,顧客はいつもと違った顔を見せてくれます。相手のガードが下がったその時,懐に飛び込む。それが,この作戦です。

 この作戦を実行するには,相手をよく観察すること。本人からだけでなく周囲の人からも,その人の趣味や性格,友人関係,家族関係といった情報を何気なく聞き出すのです。

 実例を紹介しましょう。ある時,なかなか本音を聞き出せない顧客がいました。その顧客はお酒を飲まないため,私が得意とする「飲みニケーション」も不発でした。何とかして本音を聞き出そうと,その人に関する情報を集めたところ,分かったのが「ラーメンにはうるさい」ということでした。

 次の訪問時にすかさず,「いやあ,この間おいしいラーメン屋を見つけまして」と切り出しました。すると,その顧客は見る見る表情を緩めて,麺の固さからチャーシューの味付けに至るまで,様々なウンチクを語り出しました。その後,「百聞は一見にしかず」と,一緒にラーメン屋に繰り出すことに。これをきっかけに,それまでどこかよそよそしかった顧客との距離が,ぐっと縮まりました。

 話のネタはたくさんあるはずです。要は,情報収集なのです。

奥井 規晶(おくい のりあき)
1959年神奈川県出身。84年に早稲田大学理工学部大学院修士課程修了。日本IBMでSEとして活躍後,ボストン コンサルティング グループに入社。戦略系コンサルタントとして事業/情報戦略,システム再構築,SCMなどのプロジェクトを多数経験。その後,アーサー・D・リトル(ジャパン)のディレクターおよび関連会社のシー・クエンシャル代表取締役を経て,2001年にベリングポイント(元KPMGコンサルティング)代表取締役に就任。2004年4月に独立。現在,インターフュージョンコンサルティング代表取締役会長。経済同友会会員,日本キューバ・シガー教育協会専務理事。