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トライアルカンパニーの店舗
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 九州や関東、東北でスーパーセンターを運営するトライアルカンパニー(福岡市)は、情報システムの自社開発にこだわり続け、2006年秋までにグループでシステム開発要員を750人確保した。米ウォルマート・ストアーズを研究し、「日本のウォルマートになりたい」との思いで1981年に同社を創業した永田久男社長は、ウォルマートの強みである独自の情報システムの存在に注目。システムの自社開発に活路を見いだしてきた。

 トライアルは社内に80人のシステム部員がいるほか、中国と韓国にシステム開発のための関連会社を設立し、中国で650人、韓国で20人の合計750人の開発体制を整えている。日本の小売店で、これだけの規模のシステム要員を抱えている企業は珍しい。西川晋二CIO情報システム責任者は、2カ月に1度は中国拠点を訪れ、2週間ほど滞在してはシステム開発の方針を現地社員に直接伝えている。

 システム子会社であるティーアールイー(福岡市)の代表取締役を兼務する西川CIOは、650人いる中国の開発部隊を、ほかの企業向けにシステムを海外で開発する「オフショア開発事業」にも生かす計画だ。

 トライアルは2004年、韓国に海外1号店を出店しており、こちらのシステムは韓国拠点の担当者が日本のシステムを移植して立ち上げた。既に2店目の出店準備に取り掛かっている。中国での出店はまだ先になる。

 急成長を遂げているトライアルは現在、国内に55店舗を構え、2006年3月期には売上高が大台の1000億円を超えた。今期は1350億~1400億円を目指している。店舗網と売り上げの拡大に合わせ、システムは日々社内で更新しており、2007年には今ある複数のシステムを統合した新しい基幹システムを構築する予定だ。西川CIOは「成長速度に合わせてシステムを機動的に更新していくには、人件費を負担してでもシステムの自社開発にこだわる」と語る。

 750人ものシステム要員を抱えるが、そのうち650人は中国での採用であり、「人件費を含めたシステム費用は売上高の0.7~1.0%以内におさめられている」(西川CIO)

 トライアルの目下の悩みは、急成長に店舗のマネジメント体制の整備が追いつかなくなってきたことだ。そのため、以前よりも収益力が低下してきている。そうした弱点を補完するのがシステムの役目であるともいえる。永田社長は毎朝全店をインターネットで結んでテレビ会議を開き、経営理念やシステム活用を1時間かけて訴える。

 先日は首都圏で勢力を拡大している同業のオーケー(東京都大田区)の特徴である商品の自動発注の話題を取り上げ、「我々もオーケーに見習い、もっと自動発注システムの精度に磨きをかけなければならない」と力説した。