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 日本信号は先ごろ、積層型無線ICタグを利用した新しい文書管理システムの販売を開始した。機密文書を1枚単位で管理できるのが特徴で、文書を保管する金属製のオープンキャビネットにICタグリーダーのアンテナを組み込んだタイプである。クリアファイルなどに入れて機密情報を文書の形で保管している金融機関やメーカーなどに売り込む計画だ。

 日本信号が販売している文書管理システムは、同社と独インフィニオン・テクノロジズ、凸版印刷が共同開発した非共振型ICタグ(13.56MHz帯の周波数に対応)を使用する。「ICタグの間隔が1mmまで狭くなっても、複数のICタグの情報を同時に読み取ることができる」(日本信号ビジョナリービジネスセンターRFI事業推進部課長の松崎隆氏)ため、クリアファイルや業務用封筒などの単位で機密文書の貸し出し・返却管理や不正持ち出しの監視などを行うことができる。

キャビネット背面のアンテナでICタグを読む

 すでに販売しているハンディ型リーダーを使うタイプと据え置き型リーダーを使うタイプに対して、今回のオープンキャビネット型システム(写真1)は、キャビネットの背面にICタグリーダーのアンテナが組み込んである。非共振型のICタグは、機密文書を入れたクリアファイル(写真2)や業務用封筒などに張り付ける。新製品の設計図といった機密度の高い文書の場合には、文書1枚ごとに張り付ける。

写真1 ICタグリーダーのアンテナを背面に組み込んだオープン型キャビネット

写真2 積層型ICタグを張り付けたクリアファイル

 これらの機密文書を紙製のボックスに入れ、キャビネットに収納する。キャビネットに組み込んだリーダーのアンテナは常時ICタグを読み、機密文書が収納されていることを確認している。リーダーのアンテナが確実にICタグを読めるように、ICタグの向きはキャビネットの背面に近い方向にそろえておく。

 この状態で、機密文書を入れたボックスをキャビネットの棚から取り出すと、取り出されたことをキャビネットのリーダーのアンテナが検知する。ボックスの中から一部のファイルを抜き出しても、どのファイルが抜き出されたかを検知する。ボックスを棚に戻したり、抜き出したファイルをボックスに戻したりしたときも、同様の仕組みで戻されたことを検知する。

 実際の運用時にはキャビネットの上面などに、社員が使う非接触型ICカードのリーダーを設置する。機密文書を借りる場合には、社員用ICカードをカードリーダーで読み、借りたいファイルを棚から取り出すと、貸し出し管理が終わる。機密文書を返却する場合も、貸し出し時と同様の手続きを行えばよい。

 正規の手続きをしないでファイルを棚から持ち出したときには警報音を鳴らすことができるため、不正持ち出しの監視も可能になる。システムの導入費用は、リーダーのアンテナを組み込んだ専用キャビネットやファイルなどに張り付けるICタグ、アプリケーションソフトなどを含めて、「キャビネットの棚1段当たり約48万円」(日本信号の松崎氏)である。



本記事は日経RFIDテクノロジ2006年9月号の記事を基に再編集したものです。コメントを掲載している方の所属や肩書きは掲載当時のものです