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思索用のノートは、打ち合わせ用ノートと使い分けている。
 2006年4月、CSKシステムズは営業部門にマトリクス型の組織を誕生させた。業種別に既存顧客を担当する営業部隊と、ソリューションカットで業種を問わずに幅広く新規/既存顧客にアプローチする営業部隊が連携する。桑原は後者に所属し、ときにはフロントに立ってプロモーションを企画したり、ときには顧客を持つ営業の支援にまわりながら、受託開発だけにとどまらない“攻めのSIビジネス”を志向している。

 ソツのない知性派だ。話していて不思議と安心感がある。商談相手は誰もがそう思うのではないだろうか。入社して3年目にもならないころ、あるユーザー企業の担当者に「君と仕事がしたい」と言わしめ、数億円規模の開発案件を発注されるまでになったのは、そういうキャラクターも大きな要因だろう。

 「営業はもはや個人で動く時代ではない」と言う。扱う商材を、狙った業種・業務に組織としてどれだけ導入できるかが勝負と、マーケティングの概念を取り入れ、戦略的に動く。アプローチする業界における商材の導入状況を徹底的に調査し、開発部隊の稼働状況を横目でにらみながら、受注できそうな案件を浮かび上がらせる。単独受注が難しいとみれば、顧客と関係の深いメーカーやチャネルへ協業を申し入れに行く。「受注の可能性を最大限高める努力をして、チームワークで取る」というのが、彼の理想とする営業スタイルだ。

 心がけているのは協調性。「横串組織はどうあるべきか」を常に念頭に置き、社内調整にも心をくだく。よく使うのはキーパーソンをたばこ部屋へ連れ出す作戦だ。「たばこを吸っているときは誰でも心がゆるむので、説得の場所としては最適」なのだそうだ。

 受注に向けた戦略を熟考することが、楽しみのようでもある。結果に至る過程が大事と考える桑原は、その道すじを、ああでもないこうでもないと考え抜く。片道1時間半の通勤時間が格好の思考タイムだという。

=文中敬称略

桑原 良和(くわはら よしかず)氏
CSKシステムズ
ソリューショングループ
ソリューション営業課 課長
1975年、神奈川県生まれ。中央大学商学部を卒業後、97年にCSKに入社。営業職として製造業を担当したのち、外資系ソフトベンダーとのアライアンス推進に従事。再び製造業の担当を経て現職。歴史小説ファンで、好きな歴史上の人物は真田正幸。戦国武将たちと渡り合うバランス感覚や、臆病なのに大胆という二面性が魅力なのだとか。