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サーバー統合のカギを握る仮想化ソフトがいよいよ普及期に―。2月7日から3日間、東京国際展示場で開かれるIT総合展「NET&COM2007」の注目株は、サーバー仮想化ソフトだ。低価格の製品が登場するとともに、性能や安定性も高まってきている。

 展示会の特設ブース「仮想化最前線2007」では、大手メーカーなど9社が仮想化関連製品を展示する()。ブレード・サーバーや管理ソフト、プロセサなど様々な製品が公開されるなか、今回の目玉といえるサーバー仮想化ソフトは次の4製品だ()。

表●IT総合展「NET&COM2007」でベンダー各社が展示する仮想化関連製品
表●IT総合展「NET&COM2007」でベンダー各社が展示する仮想化関連製品
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図●サーバー仮想化ソフトの比較(本誌の調査結果)
図●サーバー仮想化ソフトの比較(本誌の調査結果)
図●サーバー仮想化ソフトの比較(本誌の調査結果)

 サーバー仮想化ソフトは運用コスト削減という命題を解くカギとなる。既存サーバーに置く複数のOS環境をサーバー1台に同居させ、CPUを無駄なく利用する機能を備えるからだ。

 しかしながら、昨年まではユーザー企業の導入になかなか火がつかなかった。米ヴイエムウェアが開発した「VMware ESX Server」やオープンソース・ソフトの「Xen」が提供されていたが、コストや性能、安定性の面でユーザーのニーズに合致するケースが少なかったようだ。

マイクロソフトは無償で提供

 その状況は変わりつつある。展示される仮想化ソフトをおしなべて見ると、新たな傾向が二つ浮かび上がる。(1)低価格化、(2)性能と安定性の向上、だ。

 低価格化が進んだのは、米マイクロソフトが開発した「Microsoft Virtual Server 2005」と、米バーチャル・アイアン・ソフトウエアが開発した「Virtual Iron」。Virtual Server 2005は昨年半ばから無償提供を開始、Virtual Ironは昨年12月から1CPU当たり8万円弱で提供し始めた。

 先行するVMware ESX Serverは、管理ソフトを含んだ製品「VMware Infrastructure 3」として提供されており、60万円(2プロセサ当たり、スタンダード版)からだ。先行した分、機能面で進んでいるものの、上記2製品と基本機能は同等。低価格化によって比較的小規模なサーバー統合で適用が進むとみられる。

 次に、性能と安定性の向上については、一つにはプロセサの仮想化機構によるところが大きい。Virtual Ironは昨年6月の出荷からプロセサの仮想化機構に対応。Microsoft Virtual Server 2005は2007年2月に追随する。VMwareも今後対応する予定である。

 米AMDや米インテルが提供しているプロセサの仮想化機構はいずれも、仮想化ソフトが実行していた処理をプロセサが肩代わりするもの。仮想化ソフトでは、これまで仮想化ソフト上で動作するOS(ゲストOS)の修正、あるいはゲストOSからの命令を変換する処理が必要だったが、不要になる。そのため、ゲストOS自体の安定性が増す、または仮想化ソフトの性能が向上する。

日立はプロセサを独自に開発

 さらにプロセサ・メーカーは、仮想化機構を一層強化していく。例えば米AMDでは、07年半ばに出荷する4コア搭載のプロセサで、さらに高速化を図る。例えば、ゲストOSのメモリー領域を切り替える処理のボトルネックを解消する。08年には、周辺装置のアドレスを仮想化する機構を組み込む。これにより、アドレス変換の負荷を軽減し、高速化を実現する。

 こうした動きを先取りするのが日立製作所だ。同社のブレード・サーバー「BladeSymphony」はプロセサの仮想化機構を装備している。インテルのItanium2用チップセットに独自に実装し、入出力処理を高速化した。「性能や安定性を重視するシステムでの利用を想定している」(同社のエンタープライズサーバ事業部開発本部 山本章雄本部長)。VMwareやVirtual Ironと比べ、ゲストOSが限定されるなど劣る面があるが、そうした機能を必要としないユーザー層を狙う。

 性能向上や低価格化など、普及に向けた動きはさらに進みそうだ。例えば、マイクロソフトは、今年後半に出荷を予定しているサーバーOS「Longhorn(仮称)」で仮想化ソフトを標準で組み込む。これにより、「ゲストOSの障害がほかのゲストOSに影響を及ぼさなくするため、安定性が増す」(同社のシステムテクノロジー統括本部システムプラットフォームグループ 今田隆秀テクノロジースペシャリスト)という。

 展示会では、日本IBMや富士通が仮想化ソフトを管理対象にする統合管理ツールを公開。データコア・ソフトウェアがストレージを仮想化する製品とVMwareとの組み合わせで、サーバーの切り替えを容易にするデモンストレーションを実施する。こうした周辺製品を含め、仮想化ソフトの導入ハードルは下がってきている。もはや、大規模なサーバー統合を実行に移す一部企業だけに有効なソフトとはいえなくなってきた。